【世界中の仲間と共に成長する】PSYL インタビュー

【世界中の仲間と共に成長する】PSYL インタビュー

こんにちは、今日は海外で行われる宿泊型プログラム、Pearson Seminar on Youth Leadership(PSYL)を参加者へのインタビューでご紹介します。このプログラムの特徴、様々なアクティビティの意味、それぞれの背景などをわかりやすく説明してくださいました。PSYLへの参加を検討している人もそうでない人も是非読んでみてください。

目次
1. プログラム概要
2. 参加者プロフィール
3. PSYLとは
4. PSYLでの1
5. ワークショップ
6. 印象に残ったこと
7. 選考、英語
8. 参加理由、他参加者
9. 一言

《プログラム概要》

開催場所|UWCカナダ校

開催期間 |7月後半〜8月前半にかけての3週間

定員 |約80名

対象 |15〜18歳

※詳細は開催年によって変わります。詳しくは公式hpをご覧ください
・参加者プロフィール


PSYLとは

PSYLは”Pearson Seminar on Youth Leadership“の略で、世界中に点在するUWC(United World College)の一つであるカナダ・ピアソン校にて開催される、約三週間のサマープログラムです。約80名の多国籍な15~18歳の学生たちと寮生活をしながら、様々なアプローチでリーダーシップを模索したり、世界が抱える社会問題への理解を深めます。校舎はヴィクトリア島の先端に位置し、野生動物を見かけることもしばしばありました。昼はマリンスポーツ、夜は天体観測などが出来、自然の恩恵を存分に楽しめます。何よりこの土地は元来カナダの先住民のものであり、そのような歴史的背景があらゆる面でプログラム内容に大きく影響していました。

PSYLを私なりに形容すると、

Creative
Inclusive
Transformative
Flexible

などなど…ざっくり言えば”なんでもあり“のコミュニティーで、常に”あなたがしたい事をすればいい”というスタンスで進行します。勉強やそれ以外のシーンでも情操教育が一貫していましたが、それもただ綺麗事を並べて終わるのではなく、現実世界のあらゆるconflict(=意見の対立や不和)への向き合い方を模索しながら様々なアプローチで多様性と調和の共存を追求しました。ちなみに開催側はコーディネーターとアニメーターからなり、中でも現役のUWC生と過去のPSYL参加者で構成されたアニメーターは、私たち参加者と同じ立場で四六時中生活を共にします。先生・生徒の構図にとらわれない彼らとの密接な交流も大きな特徴です。

PSYLでの1日

PSYLでの1日は、基本ワークショップを軸に進行し、合間に食事、ミーティング、休憩、他各種アクティビティー (スポーツからセレモニーまで)を適宜挟みます。PSYLは比較的自由度の高いプログラムですが、校舎から出る事はほぼ無いため自分達で楽しみを見つけていく必要があり、毎日を充実させられるかどうかは参加者自身の主体性がかなり試されます。その分沢山の機会が提供されているので、自分が今ここで何をしたいのか、自分に何が出来るのかを常に頭のどこかで意識しつつ、アンテナを張って過ごすと良いと思います。

ワークショップ

ワークショップは、座学やディスカッション、ゲームなど形態は多岐に渡りますが、全てがいわゆる参加型で、受け身でやり過ごせるものは一つもありませんでした。選択制や任意のワークショップも存在しました。内容はリーダーシップの追求そのものよりも社会学に近く、環境、ジェンダー、ウェルネスを始め様々な内容を学びました。大規模なものでは、地球温暖化に関して各自の出身国の状況がまるで世界の縮図のように一目で分かる移動型アンケートを取ったり、変わり種では“パートナーへの同意の取り方“なんてのもありましたが、全てにおいて自己理解に繋がる内容でした。アカデミックと言うとハードルが高く聞こえるかも知れませんが、どのワークショップも違うようでいて密接に繋がっており、共通するキーワードや概念を繰り返し用いる事で理解がしやすいよう構成されていた所に、プログラムの一貫性がうかがえました。参加者が自らのアイデアを元にワークショップを率いるチャンスもあります。

印象に残ったこと


私はそれまで母国語ですらディスカッションをする機会が少なく、その白熱ぶりに最初はかなり面食らいました。しかしながら少人数や一言レベルで意見をシェアできる場面も多く、一人一人が尊重された環境で“自分の声が求められている”と感じた時の嬉しさは忘れがたいです。リーダーシップの本質とは何かというテーマで議論をした際には、ノンネイティブも含めほぼ全員がアクティブに発言し、最後まで一つの結論に達する事はありませんでした。細かい言葉の解釈にまで単語レベルで妥協しない周囲の姿勢にも、刺激を受けました。
また印象的だったのは、シミュレーション型のアクティビティです。テニスコートにゼロから仮想都市を作ってコミュニティー形成を学んだり、先住民の歴史学習の際にブランケットを土地に見立て同化政策を再現したことで、理解のプロセスがよりパーソナルで深いものになるのを実感しました。
選考、英語

いずれもオンラインでの応募となり、英語でのエッセイを含むアプリケーションフォームが膨大かつ複雑なので、こまめにウェブサイトをチェックしながら出来るだけ早めに取り掛かる事をおススメします。応募に際し学力・英語力の基準は特に設けられていなく、正直選考そのものが限りなく先着順に近いと感じました。UWCの教育へのアクセスが誰にでも開かれているのはPSYLの良い所ですが、語学研修感覚での応募は推奨しません。語学力向上だけに留まらない目的意識を持っているかどうかが問われると思います。自分がなぜここに来る事を選んだのかと自問し初心に戻る事が前に進むモチベーションに繋がると思うので、アプリケーションエッセイには時間をかけて取り組んでほしいです。PSYLというコミュニティーはノンネイティブを含め個々のバックグラウンドを大いに考慮・尊重してくれますが、現地で疎外感を感じないためにも英語”“学ぶのではなく、英語”“新しい何かを学ぶのが当たり前の環境に飛び込む、という意識は不可欠だと思います。ただ実際参加してみて思うのは、英語力そのものよりもコミュニケーションスキルが物を言うという事です。もっと言えば、言葉にとらわれずに自分をアプローチする術があれば、強みになると思います。

参加理由、他参加者

基本的にUWCへの入学希望者が一定数いましたが、そうでない人も沢山います。国籍の内訳はカナダ・アメリカが半数、それ以外は各大陸から集まっており、遠い所ではタンザニアからの参加者もいました。言うまでもなくバックグラウンドは多様そのものでセクシュアル・マイノリティーに属する人も多く、まさに”for anyone“。色々な人が集まる分、皆PSYLに求めるものは様々です。彼らを一括りにするのは難しいですが、皆に共通して言えるのは探究心が強く、自己表現力に優れながらも自然体な事です。語学や音楽を始め幅広い分野で一芸、二芸に秀でた優秀な人も多かったですが、それでいてエリートである事をひけらかすような雰囲気は全く見られませんでした。私がPSYLに魅了された事は、UWCの教育に魅了された事と、米大学出願を目指すにあたり英語圏でのアカデミックなサマースクールが大学生活への架け橋になると思ったからです。実際帰国してから、PSYLでの経験が自分の海外生活への具体的なイメージに繋がり、海外大という進路選択をより強く確信しました。しかし本来の目的以上に、新しい人達との出会いや彼らとの交流に大きく影響を受けました。ちなみにプログラム内容の似ているUWCアメリカ校のGLP(Global Leadership Program)への応募も考えましたが、合格通知がすぐに届いたのと、校舎に海があってテンションが上がるという理由でPSYLにしました(笑)今ではあの時の自分の直感力(単純力?)に感謝しています。

一言

海外を視野に入れて何かをしようとする時、純ジャパというバックグラウンドはあらゆる面で不利になる場合が多く、海外経験のない事をどこかコンプレックスに思っている自分がいました。実際、最初の数日はせっかく合格を貰ったPSYLに貢献するどころかその場の状況を理解しながら一瞬一瞬に追いつく事が精一杯で、自分はここにいるに値するのだろうかと落ち込みました。でも、大丈夫です。自分の欠点や弱さも含めて受け入れてくれるのがこのコミュニティーです。あなたが主役になれる場面は必ずあります。それはもしかしたら言葉の要らないスポーツや芸術かも知れないし、マイノリティーならではのユニークな視点そのものかも知れません。PSYLでは”non-native(=非ネイティヴ)”の代わりに、”English learner(=英語学習者)”という呼び方が使われていました。些細な事ですが、このように自らが自分という存在を肯定できるきっかけを何度も与えてくれたのです。PSYLで何を得るかは、自分が何をするかで一人一人様々だと思います。私自身はインスピレーションという答えが一番しっくり来ます。単なる”思い出作り“では終わらず、これまで参加したどのサマースクールとも違うと感じました。

メタ認知“という言葉をご存じでしょうか。私も最近知ったばかりなのですが、簡単に言えば”知っているという事を知っている“という意味で、その逆も然りです。PSYLでは何か分からない事がある時、”分からないから力を貸してほしい”と声に出してシェア出来る環境と、いつでも温かく応えてくれる仲間の存在があるから、自分の心に正直になれます。自分が知らないという事を、知る事ができたのです。私はそれまで、いつも違う誰かになりたがっていました。PSYLへの参加を決めたのも、まるで別人のような変化が欲しかったからです。しかしプログラムを終えた時湧き上がってきた感情は、”自分らしくありたい“という、全くの別物でした。素の自分でいる事でしか成長できないと気づいたからです。”非ネイティヴ”であろうと有色人種であろうとセクシュアル・マイノリティーであろうと、皆が対等なこのコミュニティーが私は大好きです。このプログラムは、とにかくチャンスでいっぱいです。そしてPSYLには、例え失敗してもあなたを笑う人は一人もいません。偏見や思い込みにとらわれず、思いっきり体当たりをしてみて下さい。そこには、どんな自分も受け入れてくれる仲間達があなたを待っています。私がそうだったように、あなたの前に立ちはだかる壁の正体は、未知の世界への扉かも知れません。一緒にビッグウェーブに乗りましょう!


何かもっと聞きたいことがあれば、下記のアドレスに気軽に連絡して下さい!お待ちしています。

mayukopsyl@gmail.com


PSYL公式hp(英語)はこちら↓↓
http://www.psyl.ca/

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