【学びの夏休み】東北スタデイツアー2021について聞いてみた

【学びの夏休み】東北スタデイツアー2021について聞いてみた

 大家好!パイセン部署のあーすけです。東日本大震災の2011年、私達はほんの幼い子どもでした。現に私も当時6歳で震災について無知でした。そうして東日本大震災について学ぶ機会を逃したわけですが、このような人は多いのではないかと思います。本記事で一緒に学び直してみませんか?今回取材に応じていただいたのは鈴木あゆのさん。スタディーツアーの概要や感想だけでなく彼女の活動にも注目!

岩手県こいしはま駅の画像

自己紹介

 静岡県の高校2年生の鈴木あゆのと申します。将来はリベラルアーツを学び、社会問題を解決する活動に携わろうと考えています。以前からの自身のテーマである「サステイナブル」と「食」についてインスタグラムで発信しています。そこに今回の東北スタディーツアーを通して新たに見つけた「防災」にまつわる投稿もする予定です。

東北スタディーツアーとは

 静岡県内の有志の高校生が東日本大震災と関わりの深い場所を訪問し、様々な語り部さんにお話を伺うツアー。ツアー後の報告会で、各自設けたテーマにに沿って学んだことを発表しあいます。主催は、特定非営利活動法人静岡県ボランティア協会、TOMOSHIBIプロジェクト実行委員会の皆さん。

 

スケジュール

6月:参加動機を書いたエントリーシートを提出。

7月:2回の事前研修会に参加。ここで初めてメンバーさんと顔合わせをします。第1回では2人1組でバディを組み、学習テーマを決めます。第2回は静岡防災センターで展示資料を見聞きしました。

8月:いよいよ東北へ!

1日目

バス泊で目覚めとともに岩手県に到着。計6ヶ所を回り、それぞれで語り部さんの講演を受けました。

9:00;風の電話(映画の元にもなりました)

10:30;大槌町役場

12:30;お昼

14:00;おおつちこども園

16:00;おしゃっち

18:00:城山

19:30;宿泊

2日目

9:00;旧鵜住居小学校・旧鵜住居中学校

11:00;お昼

13:00;いわてTSUNAMIメモリアル

14:00;奇跡の一本松道の駅

16:00;震災学習列車

この後11時間かけ静岡まで帰りました。

9月:報告会。バディで1回目の事前研修で決めた学習テーマについてプレゼンをします。今準備の真っ最中です。

参加動機

 環境問題に関心を持ったことで、高校に入ってから社会への視野が広がりました。日本の社会に目を向けるとき、東日本大震災について知ることは不可欠です。しかし、今まで学校で詳しく扱われてきたことはほとんどなく、重すぎるテーマとして自分でも遠ざけていたため、いつかしっかり向き合わなければと思っていました。普段目にする2次情報ではなく、被災者の生の声を聞いて学べるこのツアーはまたとないチャンスだと考え応募しました。

ツアーで学んだこと

 津波で巻き込まれて亡くなった方のご遺体は多くの場合五体満足ではありません。人間の活動そしてその産物、命の儚さ脆さが今までになく強く響きました。どれほど多くの人々が苦しんでも地震や津波は自然現象に過ぎないという残酷さ。今の社会では見渡す限り人間の作った建物が広がっています。そのような環境だと人間が地球を支配しているように錯覚しがちですが、それは全くの間違いだということを思い知らされました。現代人は生活の向上によって人間の命を強くて脅かされないもののように感じがちです。しかし、大自然に目を向けてみてください。人間の命は奇跡の中にある尊い存在だと分かるはずです。

 電波が遮断され連絡手段が全く機能しなかった震災当時。何よりも大きな不安は、大切な人の安否がわからないことだったと多くの方々から伺いました。避難所のライフラインや生活環境にばかり目を向けていた私は、ハッとしました。私たちが生きる上でなにより必要なのは身近な人の存在なのだと。しかし、私たちは、身近な人を最大限大切にして日常生活を送っているでしょうか。朝学校の支度をするとき、私の頭の中にあるのは今日の授業や宿題の提出期限であり、家族に感謝を伝えることではない。日常生活には、本当に私たちにとって大切なものを大切にすることを妨げるものが多いです。そのことにいざというときに苦しめられるのはあまりにも勿体無いことです。

この体験はどう生きるか

 ツアーを通して、
「災害時について考えること=非常時への備え」
のイメージが覆りました。災害時に私たちが求めるものこそ、人間が生きる上で本質的に求めるものなのです。だから、
「災害時について考えること=本質をついたより良い日常へのヒント」
だと今では考えています。防災は直近の生活には役に立たないおまけ的なもの、そんな認識を持っている人は多いのではないでしょうか。

 防災の充実こそよりよい社会への第一歩だと私は考えています。 ツアーを通して社会の防災の充実に貢献することが新たに私の課題の1つとして加わりました。この体験をきっかけに、今ある防災に足りていないことを探し出すことから始めようと思います。

読者の高校生へ

 自分の生活圏を飛び出してみると、必ず未知の価値観や考え方に触れることができます。今まで”なんとなく”感じていたこと、したいと思っていたことがはっきりと形を持って頭の中に現れてくれる可能性があります。(ツアー前の私は目先の問題に執われていたということに今では気づくことができました。でも実際に外に出てみないと執われてることに気づかない。今あなたも何かしらに執われているはず。)そして自分で挑戦して学びとったことが今の私の支えになっていると実感しています。日々の忙しさに負けず自分の生活圏を一度飛び出してみてはどうでしょうか。

本記事で取り上げた東北スタディーツアー以外にもイベントが開催されています。気になった方は東北スタデイツアーのサイトへ。

参加者体験談カテゴリの最新記事