言語学オリンピック

言語学オリンピック

皆さんこんにちは、パイセン部署のはるなとななです。中高生が生物学、数学、哲学、言語学など様々な分野で金メダルを目指して切磋琢磨する学術オリンピック。挑戦したいけど何から始めたら良いのか分からない、そもそもどの競技に挑戦したら良いのか分からないという方も多いのでは??そこでこの特集を通して皆さんに学術オリンピックを身近に感じてもらいたいと考えました。毎月のペースで投稿していく予定でしたが、大幅な期間が空いてしまい申し訳ありません。断続的な投稿にはなりますが、どうか温かい目で見守って頂けたらと思います。

そんな今回は、言語学オリンピックの国際大会出場者である3人の方へのインタビューを通して言語学オリンピックの本質に迫っていきます!

 

自己紹介

桜木 高校2年生の桜木陽也と申します。言語学オリンピックの日本の予選には今年で3回目の参加でした。今回、1回目の代表入りで、初めての国際大会という場でしたがすごく楽しめたと思っています。今日はよろしくお願いします。

石井 高校3年生の石井誠子です。国際大会は今年初めて参加しました。今日はよろしくお願いします。

川野 高校2年生の川野優真です。僕も今回、国際大会に初めて参加しました。よろしくお願いします。

言語学オリンピックに挑戦したきっかけを教えてください。

桜木 参加したきっかけは中学2年生の時に部活の先輩に誘われて、興味を持ったことです。もともとパズルなどを解くのがすごく好きだったので結果的に言語学オリンピックの問題を解くことにもハマって、3年目にして結果もついてきたという感じですね。

石井 私の場合は身近に言語学以外の科学オリンピックに参加している人がいて、他にどんなオリンピックがあるんだと思い調べてみたら言語学オリンピックというものが見つかり、元々言語とか言語学習などに興味があったので挑戦してみることにしました。

川野 僕の場合は元々中1の時に言語に興味があり、インターネットでいろいろ調べてみたところ言語学オリンピックというものを見つけ、そこからずっと参加して今回4回目で代表になることが出来ました。

言語学オリンピックの魅力について教えてください。

桜木 僕が考える言語学オリンピックの魅力は、未知の文字列を解読する楽しさというか暗号解読のようなワクワク感のようなものが感じられるところだと思います。

石井 いろんな問題を解く中で、自分が知っているような日常的に使うような言語とは全く違う感じの規則などががあったりすると「ああ、世界にはこんな自分の知らない世界があるんだな。」という感じで視野が広がる気がして解いていてワクワクできるようなものになっています。そこがとても魅力的だと思います。

川野 言語学オリンピックの魅力だとやっぱりパッとみてて楽しいというのはあると思います。また、自分でだんだん規則を見つけていってそれが最終的に繋がっていくところが楽しいかなと思っています。

言語学オリンピックに参加して学んだことは何ですか?

桜木 言語学オリンピックっていうのは、他の科学オリンピックと違って準備の為の参考書というような類のものが一切出版されていないので、完全に自分で1から過去問を解いたりだとか、言語学について勉強したりだとか、そうしたことが対策になってきます。そういうところで自分が解いていくうちに身に着けていくっていうことが、実際に言語の研究とかでもそうなんですけど、フィールドワークに近い場があると感じていまして、言語学オリンピックのような新しい言語を解読する面白さは、言語学オリンピックに参加してみて得られた学びだと思います。

石井 沢山ありますが、1つ挙げるなら他国の代表との国際交流が楽しかったと思っています。今年は3年ぶりの現地開催で、実際に現地(イギリスとアイルランドの間にあるマン島という小さな国。)で他の国の人と交流できてオンラインでは得られない楽しさがありました。オンラインだとあまり会話などが弾まなかったり、画面の向こう側にいる人間っていうのを感じられなかったりするんですが、実際に現地に行けたことで、言語学に関する話題などで沢山盛り上がれたので、世界には自分と似たような変な人たちっていうのが存在するんだなと気付けたことが楽しかったっていうのがあります。

川野 もともと言語が好きだったので、色々勉強してみようという感じで言語に触れることはあったんですけど、知らない言語を解読しながら理解していくっていうのが、ただ勉強するのと少し違っていて言語の現象などを色々知ることができたのが学びかなと思います。

競技前と競技後で変化した気持ちや言語学に対する向き合い方について教えて下さい。

桜木 競技前は緊張していました。個人戦の前日にも仲間内で練習会を行ったのですが、その時に解いた問題の最後は解き切ることが出来ず、不安な状態で本番に臨みました。個人戦での入賞はなかったものの、試験での第1問で20点中19点という結果を頂くことが出来ました。終わった後の結果として1問でも、国際大会という場で良い成績を残すことが出来たので達成感を感じています。

石井 私はとにかく楽しむことを重視して試験に臨もうと考えていたので、試験前も緊張はありませんでした。現地では試験時間以外で言語学オリンピックの問題を見ないと心に決めていたので、他の代表の方々とUNOなどのカードゲームをするなどして楽しむことで緊張を感じないよう過ごしました。その後、楽しみながら本番に臨み、試験後の手ごたえとして、そこそこ出来たのかな、という感触で終わることが出来たので良かったと思っています。試験の前と後の全体を通して、あまり気持ちの変化がなく、ずっと「 楽しい 」ということしか感じていませんでした。

川野 外国に行く、という機会は今回が初めてだったので、大会に行く前は日本の外に出るという実感がありませんでした。しかし、実際に外国に行き日本以外の国を直に知ったことで、徐々に現実感を感じていました。そして、同じ目標を持った人たちが集まっている国際大会に出場する、という機会もまた、初めてのことだったので、どれだけ得点に出来るか、というようなことは気にしていましたが、国際交流を楽しめる貴重な経験になったと感じています。

言語学オリンピックに参加したいと考えている人は何をしたらいいですか?

桜木 言語学オリンピックの問題を解けるようになる、ということに関しては、パズルが好きなどそういったことが入口になるかと思います。一方で言語学全体としての入り口は、日本語や英語など様々な言語があると思いますが、日常で生活しているうちにこの言葉って不思議だな、などと疑問を持ち、言語そのものに興味を持てるようになるといいと思います。そうした人たちは言語学オリンピックは非常におすすめ出来る科学オリンピックだと思いますし、言語について本格的に勉強するというようになってくるなら、言語学という学問として、凄く楽しいと思います。

石井 過去問が1番の言語学オリンピックに適している教材だと思っています。解いていく中で、こういう特徴を持った言語があるんだ、というような気づきが段階的に積み重なって、それを国際大会の問題を解くときに、活きてくると考えています。沢山問題を解いた分、コツなども自然に身についてくるものだと思っているので、多くの問題に触れることが、言語学オリンピックに参加するにあたっては一番いいのかなと思っています。

川野 僕も、過去問を沢山解くことで形式に慣れていきました。そして、徐々に国際大会の問題を解くことでレベルを上げていく、というような順序で練習していました。

読者の皆さんへ一言お願いします。

桜木 言語学オリンピックという種目は、科学オリンピックの中でも珍しく、いわゆる文系の分野を扱っているオリンピックということもあって普段、競技科学などに興味や接点を持っていない方でも言語の不思議さに一度でも興味や疑問を持った方なら、凄く楽しめる大会だと思うので、日本語でも英語でも、言語全般でも、興味を持っている方がいれば是非参加して頂きたいと思います。

石井 言語学オリンピックと聞くと、あまり聞き覚えのない言語を知っているとか、言語オタクのような人が参加しているのかなと想像する方もいるかと思います。しかし、実際はそうした人も中には半分くらいいますが、元々は言語に興味がない人でも言語学オリンピックで問われている思考力や言語の分析力など、そうしたものを使って、あまり前提知識がなくとも解けるものになっているので、意外と他の科学オリンピックに参加している人が言語学オリンピックに参加しているということも結構あります。実際、現地に行ったときに物理オリンピックの金メダリストや地理オリンピックの参加者も数名いたりして幅広い興味を持った人たちも参加できるようになっていると感じました。言語学オリンピックを通して得られるものは、言語の仕組みの面白さもあるけれど、言語に興味がない人でも楽しめるものになっているので、本当に楽しいと感じられるものになっていると思います。色々な人に挑戦して頂きたいです。

川野 言語学オリンピックというものを初めて聞いた友達からは、何か国語も話せなけばいけないのではないか、などと言われることもあるのですが、そうしたことは必須ではありません。僕は、言語に元々、興味があるとか暗号を分析するのが好きな人などは気軽に始めることの出来るオリンピックだと思っています。実際、参加した人の中には文系の人から理系の人まで多様な方向性の人がいるので、そうした意味でも、楽しんで気軽に挑戦していただけたらと思います。

 

言語学オリンピック 2023 応募開始

日本言語学オリンピック2023(JOL2023) 応募を開始しました! – 言語を題材にした謎解きチックな言語解読パズル大会です – 12/29にオンラインで開催します – 所属・年齢制限のない「オープン枠」を併設します 解き応えのある新しい問題を用意してお待ちしております!

 

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