【サイト独占寄稿】世界大会総合優勝者が語る「World Scholar’s Cup」

【サイト独占寄稿】世界大会総合優勝者が語る「World Scholar’s Cup」

WSC10周年記念紹介動画

〜はじめに〜

はじめまして!山口県に住む高校二年生、「夢見るあほ」ことルーシーです。今回は世界50カ国の中高生が集う『World Scholar’s Cup(ワールド・スカラーズ・カップ)』というアカデミックな大会について紹介します。

使用言語は英語ですが、地方の一般高校に通っている私でも満喫出来るくらい充実した大会なので、誰にとっても忘れられない体験になること間違いなし!国内・国外問わずに色々なコネクションを作りたい人、世界への新たなパースペクティブを得たい人、課外活動欄を膨らませたい人、青春したい人(笑)、全員におすすめできる素敵なイベントです。

今回は参加の流れや大会の内容に、入賞するためのコツや参加した感想を交えてご紹介します。

〜World Scholar’s Cupの概要〜

「ワールド・スカラーズ・カップ」は、三人一組のチームで、科学技術、歴史、文学、音楽・美術、社会、そして毎年変わる特別科目の6科目についてクイズ、ディベート、ペーパーテスト、エッセーの4種目の得点を競います。出場者は、年始に発表されるテーマとスタディーガイドに沿って各科目を学習し、大会に臨みます。

流れとしては、下の画像のようになっています。

〜競技について〜

Team Debate – 

即興ディベートを三試合。議題が発表されたのちに15分間の準備時間を与えられます。海外高校生の圧巻のスピーチ力には驚くかもしれません。既に模擬国連や、英語ディベートに参加していると有利です。

Scholar’s Challenge – 

120問が出題されるマーク式のペーパーテスト。複数の選択肢を選ぶことが出来るので、一個の答えに絞られない時でも、何かしらの点数は得られます。科目別でメダルが与えられるので、ここで頑張ると大きく報われます。

Collaborative Essay –

それぞれの科目についてStatementが与えられ、メンバーそれぞれが一つ選び、自分の意見を自由に書きます。詩や物語、手紙を書く人もいます。表現の豊かさだけでなく、どれだけ与えられた題に対して考えを深められるか、またカリュキラムと繋がりを持たせることが出来るかが大事です。

Scholar’s Bowl –

高校生クイズ形式で、チーム三人で協力して制限時間内に答えを五つの中から選びます。スカラーズチャレンジよりも思考の柔軟性が問われます。

*普段から流行りのmemeに親しんでいると有利です。

Facebook上でWorld Scholar’s Cupの公式グループに入っておくと、スタディーガイドについての最新の情報を入手できます。また、他の大会参加者が独自に作成したまとめノートを公開したサイトもシェアされているので、それらをチェックしてみることをオススメします。

勉強する内容はそれほど堅苦しくなく、各科目での大まかなテーマにまつわる様々な語句や概念についてチームで分担して調べ、理解・暗記します。またディベートやエッセイについては学校内で練習する、もしくは他の出場者と繋がってネット上で練習するといいでしょう。

個人的な意見として、World Scholar’s Cupの準備はとにかく楽しい!面白い!勉強嫌いでも、私みたいな「あほ」でも、早起きしてやりたくなるほどワクワクしちゃいます。この辺についてはかなり個人差はあるようですが(笑)。とにかく苦に思わず、主体的に面白みを取り入れるセンスを養い、またチームメイトとの定期的な情報交換を怠らなければ、きっとうまく行くと思います!

*真面目に勉強しなくても、案外どうにかなります。エッセイやディベートは運任せな部分もあります。実際、事前二週間を使って勉強して世界大会では1位を取ることができました。

〜行事〜

聞き飽きるほどBruno Marsの「21K Magic」が流れているような自由な大会ですが、数多くあるイベントが特に奇抜で、とても充実しています。

Debate Showcase (ディベートショーケース)

ハノイ大会での様子はこちら

ディベート競技において特に評価が高かったディベーターが全体から8人選ばれ、ステージ上で即興ディベートを行います。

本当に勉強になります。

Keynote Speech (キーノートスピーチ)

その年のカリュキラムに関係ある著名人がトークを行います。今年はSF小説家や詩人の方が話しをしてくださいました。

Scavenger Hunt(スカベンジャーハント)

他の国の中高生とチームに組み、様々なタスクに取り組みながら周辺観光します。

アテネでの世界大会ではパルテノンの前でポーズ写真をとったり、イェール大学では大学敷地内を散策しました。

お互いの国について話したり、共通の趣味に興奮したり、同じチームにいるイケメンや可愛い子に熱い視線を送ることもできますよ!(笑)

Cultural Fair(カルチャーフェア)

世界各国の中高生がそれぞれ設けたブースを巡り、その国の文化体験が出来ます。とにかく賑やかで、美味しいものがいっぱい食べられます。普段馴染みない国について知り、視野を広げるいい機会です。

Talent Show(タレントショー)

事前にオーディションを通過した大会参加者によるタレントショー。披露するのはなんでもOKで、コメディやマジック、歌、ダンス、楽器、暗算などがありました!また、例年は日本参加者全員でソーラン節を踊ります。

Scholar’s Ball(スカラーズボール)

一番の目玉となる行事でもあるダンスパーティーでは、無条件にテンションをあげられる能力が要求されます。男女ともにドレスアップし、一晩ダンスを楽しみます。横合わせていた人たちと輪になってはしゃいだり、人混みに混じって騒いだりと、とにかくアツいです。

そのほかにも、決勝大会ではイェール大学生によるパネルディスカッションや、イェール大学食堂での食事を体験することができます。また、一人一個、可愛いアルパカをもらいます。

〜最後に〜

World Scholar’s Cupは学びも遊びも折り合わせた今までになかった形の大会で、きっと忘れられない経験になります。また、過去参加者の中にはハーバード大学など海外トップ校に進学された先輩もいるので、海外進学を視野に入れているのであれば参加して損はありません。

個人的な意見として、チーム三人だけで海外へ飛び立ってみるのもオススメです!私のチームは他の日本参加者と一緒ではなくindependent delegationとして参加しましたが、宿や飛行機の予約から食事の調達まで全て自力で解決したり、大会後の観光をのんびりとエンジョイしたり、人生初のシェアハウス経験をしたりと、とにかく詰まった時間を過ごすことが出来ました。

ここで知ってほしいのは、この大会に参加するには少し覚悟がいる、ということです。

長期に渡って同じカリュキラムと向き合う必要があり、大会では英語力や情報処理力の不足に嘆いたり、海外中高生のテンションについていけなかったりと、悔しさゆえに悩む場面も多くあろうかと思います。その中で、どのように自分の長所と短所を受け入れ、どう初対面の相手に自分を表現できるか。また、多色多様な生い立ちのその向こうに人と人を繋げる本髄を見い出せるか。様々な経験を通して学ぶことで、最後には一つ強くなれた自分に出会えるでしょう。

ぜひWorld Scholar’s Cupに参加し、「世界」とともに「自分」を見つめ直してみませんか?

少しでも興味を持った方、ちょっと面白そうだなと思った方、まずは5月の国内大会に足を伸ばしてみてください!拙い文章を最後まで読んでいただきありがとうございました。

(寄稿者情報)

ルーシー

山口県私立慶進高等学校中高一貫6年

「World Scholar’s Cup」アテネ世界大会にてチーム総合2位・個人総合優勝を獲得した後、決勝大会にて個人総合11位を獲得。

公式HP:http://www.scholarscup.org

日本大会HP:https://www.scholarscup.jp

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