「未知への追求」メタバースを切り口にHSPの認知度拡大を目指す高校生に話を聞いてみた!

「未知への追求」メタバースを切り口にHSPの認知度拡大を目指す高校生に話を聞いてみた!

ハイリ―・センシティブ・パーソン(HSP)によって教育機会を損失している人を救うことを目的に活動を推進している学生団体『HsP’eers』にて代表を務める、高校2年生にお話を伺いました。メタバースという切り口からHSPの認知度拡大・理解促進を目指しているそうです!

HSPとは…?

HSP(Highly Sensitive Person)は、日本語に訳すと、「とても繊細な人」。人口の5人に1人いるといわれています。90年代後半に、アメリカの心理学者 エレイン・アーロン博士が提唱しています。

 

自己紹介

前田悠翔(まえだゆうと)と申します。私は、学生団体HsP’eersにて代表を務めており、主に活動内容としては、代表として団体の指揮をとりながら、HSPでない人がHSPの視点を五感を使って体験可能なメタバースの作成といったシステム関係の業務に携わっています。

具体的な活動内容について教えてください

まず、100BANCHに入居した際にはメンバーがかなり少なかったこともありまして、主にはHSPの知名度の底上げの一環として、小学校への出前授業を中心に活動を推進していました。というのも、小学校に通う児童の殆どがHSPについて知らない現状があるためHSPについて先入観のない状態で授業に臨むことにより、大きな効果が期待できたこと、また仮に同世代である中高生へ授業を実施する場合には自分たちが学校を休むことになりかねなかったことが理由として挙げられます。また、小学校での出前授業を通して得られた気付きや発見、自分たちの想いをプレゼンテーションや動画を通じて、年上の方へレクチャーしていくことで、幅広い年代への波及を目指して活動に取り組んでいました。私自身は100BANCH入居前に個人で課題研究として取り組みを進めていたメタバースからのアプローチといったところを学生団体に活かしたといった形で携わっていました。まず、HSPを知らない人にHSPとは何なのか、といったところを伝えたかったのですが、自分自身がHSPでないことから、実際に相手の立場に立って考えてみる、というのを物理的に行えるのが、メタバースのVRゴーグルでもあったので、それを活用した形になっています。

なぜその分野に着眼したのですか。きっかけを教えてください。

自分自身、学校がものすごく大好きだったんですね。休んでしまうことがもったいないと感じられるくらいに。その一方で、学校を休んでしまう不登校の友人を持つ中でどうして不登校というのが生まれてしまっているのか、そこがずっと疑問に思っていました。もちろん、自分自身と対比する中で一言で不登校といっても様々な要因があると思っていて、例えばそれは家庭内暴力であったり、学校内のいじめであったり、病気であったり。その内の要因の1つとなるHSPという単語を見つけて。聞き馴染みのないものだったので、これはなんだろうと調べていったところ、全く腑に落ちなくて。資料を読んでも、実際に知ることは出来ても感覚としては分からないままでした。そこで、実際に当事者に取材をしてみようと思い立ち、HSPの先輩などに話を聞きに行きました。そうした過程で、当事者でない自分がHSPを理解するためのツールの1つとして、メタバースに着眼しました。自分が元々そうしたシステム関係が得意だったこともあり、メタバースを活用して、HSPの視点を疑似体験することで色々なことが見えてくるのではないかと考え、メタバースを切り口にHSPについて探求を進めています。

小学校へのアプローチに至った理由を教えてください。

高校生メンバーの中で、過去に在籍していた小学校にアプローチをかけました。そのため、一番コンタクトが取りやすかったというのが理由として挙げられると思います。もちろん、中高生へのアプローチに考えていましたが、成長過程において段々とそうしたことへの興味が失せていってしまっているのではないかと感じていました。それに代わって小学生は柔軟な思考や知的好奇心を世の中のバイアスなしに働かせることが出来るため、ディスカッションをすることを通じて、興味関心をより引きつけ、理解促進や知名度の上昇が見込めるのではないかと考えています。今後は、中学校・高校とセクターを広げていきたいなと思いつつ、まずはHSPの当事者が捉える視点について体感することの出来るメタバース空間の体験イベント等を実施していきたいと考えています。

活動理念が果された先の未来とは…?

HSPというものの理解促進の先で学校側がHSPを知らないという今の現状を打破し、HSPの人がより生きやすい社会を実装していきたいと考えています。それはモットーとして掲げている、「HSPさんの教育をよりよいものにしていく」と深く通ずることだと思います。

活動における原動力について教えてください。

自分の場合は冒険することが大好きな人間なので、自分の知らない世界を見に行きたい、というのが、一番の原動力だと思っています。それこそ、HSPについて理解促進のために活動している現状があるのも、自分は学校が大好きなので真逆の存在について知ってみようというのが原点で自分の好奇心をくすぐり、様々な取り組みへの後押しとなっているため、未知の世界への関心は自分の中で大きな軸となっていると考えています。100BANCHに採択されたり、ワークショップを通して形にしていく上で、HSPさんの理解が広がっていると実感できることもまた原動力の1つになっていると感じます。

その他に興味関心を持って取り組まれていることはありますか?

元々、HsP’eersの活動の前に、院内学級(病院の中で病気を持ち、やむを得ない理由で学校に通えない子供たちが学び合う場所)について関心を持っていました。HSPさんの視覚のメタバース化と同様に、院内学級の空間についてもメタバース化したいなと考えていました。その活動を推進していく際に、規模が広い範囲に及んだので活動が停滞していってしまって、HSPの活動に移行した形になります。

活動の中で大変だったこと

小学校・中学校・高校と大人からの指示を受けて育ってきたところがあるため、どうやったら自分のメンバーにポジティブなイメージを持って活動を続けていってもらえるのだろうと思い悩んでいます。メンバーにおける活動意欲の継続といった面で、仕事を分配に課題を感じています。今まで自分が学校に通ってきた中で嫌だったことは一方的なタスクの押しつけでした。そうしたことをすると意欲が失せてしまうと感じているので、相互理解の上でお互いの期待値やワクワク感を基にタスクを割り振っていきたいと感じていて。けれど、自分は今まで指示を待って動いてきた人間だったので、初めて指示を出す側に回ったときにそうしたことをどう上手く回していけるだろうか、というのは自分の中で迷走しながら頑張っている現状です。

活動の中でやりがいを感じた瞬間について教えてください。

メタバースを作ることがやはり大変で。そんな中、形に出来たときに「うわ、すごい!」と友人から素直なリアクションをもらえたことはすごく嬉しかったことです。周りにはすごい人たちがいっぱいいてその中での自分の位置づけは低いものだったのですが、友人からのその一言は自己肯定感を上げてくれたものでもあり、その後の活動の後押しにもなった瞬間だったなと振り返ります。

活動における位置づけを教えてください。

自分の中で、研究を推進する上で原動力の1つにはなっていると思います。まず、HsP’eersの活動がなかったら、ここまでHSPについて深掘りしていなかったと思うし、メタバースを極めようとも思わなかったと思うので。日常的な部分に関しても、学問的な側面から見ても、研究をもっと進めていきたい!と意欲を与えてくれているものには変わりないと感じています。

読者の皆さんへ

身近なところにHSPというのは存在しているものなので、一度Instagramのストーリーなどで流れてくる感覚でHSPのチェックリストを見て診断してもらえればなと思います!

これからも、より多くの人にHSPの正しい認知が広まるよう、活動を推進していきますのでよろしくお願いいたします。

感覚に強い刺激を受けると容易に圧倒されてしまう
自分をとりまく環境の微妙な変化によく気づくほうだ
他人の気分に左右される
痛みにとても敏感である
忙しい日々が続くと、ベッドや暗い部屋などプライバシーが得られ、刺激から逃れられる場所にひきこもりたくなる
カフェインに敏感に反応する
明るい光や、強い匂い、ざらざらした布地、サイレンの音などに圧倒されやすい
豊かな想像力を持ち、空想に耽りやすい
騒音に悩まされやすい
美術や音楽に深く心動かされる
時々神経が擦り切れたように感じ、一人になりたくなる
とても良心的である※1
すぐにびっくりする(仰天する)
短期間にたくさんのことをしなければならない時、混乱してしまう
人が何かで不快な思いをしている時、どうすれば快適になるかすぐに気づく(たとえば電灯の明るさを調節したり、席を替えるなど)
一度にたくさんのことを頼まれるのがイヤだ
ミスをしたり物を忘れたりしないよういつも気をつけている
暴力的な映画やテレビ番組は見ないようにしている
あまりにもたくさんのことが自分の周りで起こっていると、不快になり神経が高ぶる
空腹になると、集中できないとか気分が悪くなるといった強い反応が起こる
生活に変化があると混乱する
デリケートな香りや味、音、音楽などを好む
同時に自分の中でたくさんのことが進行すると気分が悪くなる
動揺するような状況を避けることを、普段の生活で最優先している
大きな音や雑然とした状況など強い刺激に悩まされる
仕事をする時、競争させられたり、観察されていると、緊張し、いつもの実力を発揮できなくなる
子供のころ、親や教師は自分のことを「敏感だ」とか「内気だ」と思っていた

▶ HsP’eersの活動の詳細はコチラから

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