中高生、研究してる??

中高生、研究してる??

9期のつかです!
今回は、高校生で研究活動に努める、窪田さんにお話を伺いました。

自己紹介

高校3年の窪田瑛仁(くぼた えいと)と言います。
生まれも育ちも熊本県の17歳で、今現在は受験勉強の傍ら研究に励んでいます!

科学部への入部を即断!そのワケは…?

-研究を始めたきっかけは?

僕が研究を始めたのは中学2年生の8月頃からです。

<物理分野(屈折率)>
その年の全国総文祭に、併設する高校(今在籍する高校はSSH(スーパーサイエンスハイスクール)に指定された併設型中高一貫で,中学生から在籍しています!)の”科学部物理班”が出場することが決まっていました。 ラッキーなことに、当時の理科の先生に声をかけていただいて、7月末に行われていた全国総文祭に同行させていただきました。

同行させていただいた先輩方や先生方の人柄に触れたり、全国から集まった高校生の刺激的な研究発表を見て 「高校ではこんなに面白い世界が広がっているんだ!しかもすぐ隣にある高校で、それを高い水準で体験できる!」とワクワクしながら、熊本に帰ってきた後に科学部への入部を即断しました!

僕が入部した当時、今も僕たちが引き継いで行っている”屈折率の研究”を開始されたばかりで、その研究の補助という形で”屈折率の研究”を初年度から関わらせていただきました。

 

<数学分野(あみだくじ)>
科学部で物理の研究をずっと行いながら併設する高校に入学したのち、僕たちは高校1年生からSSHの取り組みの一つである”課題研究”を行います。 この課題研究では自らテーマを決め、個人またはグループで、時に大学などの研究機関と連携しながら研究を行うことになります。

僕が課題研究のテーマとして考えていたのは「数学ガール/ガロア理論」という書籍に挙げられている”あみだくじの構造についての議論”です。

書籍中では縦棒3本のあみだくじについて様々な構造の考察を行っており、そのあと縦棒4本のあみだくじについても少しだけ触れられます。わずかに触れられていた4本のあみだくじの構造は、3本のあみだくじと似ている部分もありましたが、なぜか違う点が多く、とても引っかかり 「なぜ3本と4本のあみだくじでは構造が違うのか?4本のあみだくじはどんな構造を持つのか詳しく知りたい!」と研究を開始しました!

視野を広げたいから、校プロ!

-校プロの活用の仕方は?

個人的に「研究を行うだけでなく、様々なイベント等に参加して、自分の視野をどんどん広げていきたい」と思っています。

校プロは様々なイベントの案内がわかりやすく並べられており、また実際に参加された方の声を知ることもできます。 実際に校プロをきっかけに多くのイベントに参加して、とても刺激的な時間を過ごすことができています!

視野を広げたプログラム

-参加したプログラムは?

<科学部&研究関連>

科学部で行った物理の研究や課題研究として行った数学の研究の発表という形で、先ほど書いたもの以外に全国総合文化祭や情報処理学会中高生ポスターセッションIrago Conferenceなど様々なコンテスト・学会に参加させていただきました。全国から集まってくる様々な高校生や最前線で活躍する研究者と自分の研究を通して交流を深められたのはとてもいい経験になったと感じています!

また、コロナ前に科学部でのボランティア活動として、「世界一行きたい科学広場in熊本」や「熊本県科学展」などで、小中学生に向けた科学体験ワークショップを開催しました。 僕たちで考えた企画で小中学生がとても楽しそうに科学の世界の面白さに惹かれていく様子が、とても心に残っています!

 

<プライベート>

僕の中で印象に残っているのは「U18キャリアサミット」と「Scienc-ome XR Innovation Hub」になります.

「U18キャリアサミット」は校プロでの案内を見て「なんとなくから卒業だ」というキャッチフレーズに惹かれて参加しました. 現在進行形で活躍され続けている登壇者の貴重で刺激的な講演や,同じように全国から集まった志高い仲間たちとのディスカッションがとても充実していたことを今でも思い出せます!

「Scienc-ome XR Innovation Hub」は「Science Without Borders(科学に境界線はない)」というMissionを掲げて,年齢や専門分野,国境など様々な垣根を越えて行うハッカソンです. U18キャリアサミットとはまた違った高校生や大学生,現役の研究者がバーチャル空間上に集まって行う議論や発表はとても白熱して,刺激にあふれていました!

これだけでなく,個人的にZoomを使って高校生を中心にいろんな方と1on1をしたりしました.いろんな方とお話しをできて,とても視野が広がったと感じています.

研究の魅力

-研究していて楽しいこと

研究の一番の魅力は「自分の知りたいことを自分で知れる喜び」だと僕は考えます。

物理と数学は性質の異なる分野ですが、それでも自分の中で疑問を立て、その疑問を解決するために様々な実験や考察を行います。正直大変な部分もありますが、それでもその疑問に対する答えを自分の力で得られる瞬間の喜びは何にも代えがたいものです!

研究する上でのポイント

-大変なことは?

研究を行う上で大変だと感じる点は3つあります。

1.「どのような疑問を立てるのか
いわゆる「研究のテーマ」に該当しますが、このテーマをどう立てるのか?テーマを立てる段階では正直見通しも立たないですが、どこまで発展できそうか? この研究テーマはかなり研究内容に影響してくるので、しっかり時間をかけて練っています。

2.「知識の不足
研究を行う上で様々なことを学ぶ必要があります。高校の理科や数学だけでなく、時には大学でやるような内容にも手を出したりします。 そういう理論を学んで、使いこなせるようにならないといけないのは正直大変です。

3.「研究を伝える
研究をさらに発展させるうえで必要となるものの一つが「第三者の目」だと思っています。 他の人からの視点を通して、この研究のどこが足りないのか、どういう発展ができそうなのか、様々な意見をもらうことができます。 そういった意見をもらうためにも、正しく研究を行って、そしてそれを相手に伝える必要があります。

全く研究を知らない人に発表やレポートなどで伝えるわけですから、どう表現すれば相手に伝えることができるのか、研究と同様に時間をかける部分でもあります。

もっと学びたい!

-これからやってみたいこと

今後は大学に進学して、もっともっと深く物理や数学を学んで、研究者になる基礎を身に着けていきたいと考えています。また、研究発表などの全国大会で感じた、いわゆる「機会の格差」を少しでも小さくする活動をしていきたいと考えています。そのためにも、大学に進学して様々なことに興味を持って学びたいと思います!

中高生も「研究」してみて

-読んでくださっている方へメッセージ!

正直なところ「研究」という言葉を聞くと「難しそう」とか「自分にはできない…」と思う方もいるかもしれません。 でも、身近なところで皆さんも研究をしています! 例えば道を調べるときも「どのように(目的地)に行けばいいのか?」という疑問(テーマ)を立てて、スマホや地図などのツールを用いて実験(調査)して、「こう行けばいいんだ!」と結論を出す。これも立派な研究の1つの形だと思います。

大学入試も変わったように、今後このような「研究する力」は文理問わず、様々な分野で必要とされてくると思います。 どんなテーマでもいいです!皆さんが興味を持てる「研究」にチャレンジしてみてください!

<受賞歴>
・日本物理学会Jrセッション 優秀賞
・高校生・高専生科学技術チャレンジ 花王特別奨励賞
・SSH生徒研究発表会 ポスター発表賞&生徒投票賞
・高校生・高専生科学技術チャレンジ 入選

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