【パイセン記事】障がい者のしょくを追求する高校生

【パイセン記事】障がい者のしょくを追求する高校生

皆さんこんにちは。パイセン部署のゆきなです。

最近雨の日が多いですが、みなさんは雨は好きですか?私は傘を持ち歩くのが大変なので嫌いです。笑

今回は自分の難病をきっかけとしてプロジェクトを始めた高校生にインタビューしました。

自己紹介

宮城県の気仙沼市というところにある東陵高校の3年生の吉田といいます。

この活動をはじめたきっかけ

この活動をはじめたきっかけは自分に難病があるという自己の体験からこのプロジェクトを始めました。私がやっているプロジェクトが「障がい者のしょく」というプロジェクトで、「しょく」という言葉には色とか食事とか幅広い意味を表せるので、このような表記にいています。また、自分は難病がきっかけで中学校時代3分の2以上学校に行けずに辛い思いをしていました。36℃から40℃前後、短時間で上がり下がりをするという病気で、親に「具合が悪い。休む。」と言うと、とても申し訳なかったり、薬の副作用で顔がむくんだりとか、そのような辛い思いをしていました。高校に入って探究を始めたことで、関係者の方々にインタビューをしたときに合理的配慮というものを知って、その合理的配慮に私の生活は支えられました。具体的に言うと、例えば私が一週間、病気で学校に行けなかったというときに授業範囲がわからないときとか当日テストがあったり連絡事項とかを伝えてもらうシステムを自分の通っている病院にまず相談して、「こういうことをしたいんです。」と言ってアドバイスをいただき、そこから学校に言って、先生と交渉して私の高校ではスマホの使用は禁止ですが、許可をいただきました。友達同士で黒板の写真を撮ってもらってグループLINEで送ってもらうという配慮をいただきました。そして私はこの自分の体験から何か合理的配慮を伝える活動をしたら、自分のような人にもよいシステムを届けられるんじゃないかなという思いでインスタグラムを開設したのが始まりです。

 

活動の中で印象に残っていること

インスタグラムの活動の中で自分の伝えたいことが伝わっているのかどうかわからなくなってしまい、そこで自分も何か活動してみようと思いました。そこで偏見差別がなくなれば、障がい者の方は少しでも過ごしやすくなるのではないかと思いました。そこで、地域にある福祉施設の方に「高校生と障がい者の方を交えてお互いを知る機会を作れるのか」とかを聞いてみました。そこで「高校生には無理だ。やめておきな。」という言葉を頂きました。そこで何か自分はもし誰かを傷つけたらこの活動はもう出来ないと感じ、半年以上行動出来ませんでした。そんな中に福祉施設の方何人かに聞いたときに共通していたことが「障がい者の方とどう関わるのが大切か」という質問をしたときに結局は人と人がお互い個性も感受性も違うということを仰っていたことを思い出しました。そこで私は、ハッとさせられました。プロジェクトが障がい者のしょくということで色に注目して、自分のやるせない気持ちと1対1で話すことの大切さを伝えられるアートを作りたいなと思って花のアートを施設の方に花びらを一枚かいてもらって、何人にもかいてもらったのを繋げて花にしました。その写真はインスタグラムに掲載しています。

また、それがきっかけで地域の人に発表する機会がありまして、そこでその花のアートを紹介しました。すごく共感していただいて「作成しているときの楽しさとかが伝わってくる」とか「感動した」とかコメントを頂いて、自分の探究に自信をもっていいんだなと思い、このような活動を続けていこうと思いました。そこであることに気づきました。それが自分にも偏見があるということです。私は高校に入ってから探究を始めたのですが、高校の探究活動とは別に活動していました。それがなぜかというと同級生に自分の難病を知られたくないと思っているからです。自分の病気が弱さだと思っているので、なかなか話せないということを地域の福祉施設の方に相談したときに「それも偏見なんじゃないかな」とアドバイスをいただきました。「なるほどな」と思ったのがいちばん印象に残りました。

 

 

具体的な活動内容について

まずはインスタグラムで、自分が気づいたことや周りに伝えたいことを発信しています。ただ、自分の中でインスタグラムというものは本当に困っている人には伝わらないんじゃないかなと考えています。実際に自分の発信を見てくれるのを確かめる機能があって、それを確認したのですが実際に届いてほしいと思っている人には届いていないなと感じました。だから、本当に伝えたい人に伝える仕組みを作りたいと考えています。

また、今挑戦しようとしているのは、先ほど「偏見」と言ったんですけど、その偏見を解決するために自分の偏見と戦うと決めて、GWが終わったら全校生徒に発表しようと思います。また、今目指しているのは知識を広げれば多様な社会が作れるんじゃないかなと思い、知識を持てば偏見とか差別が生まれない社会になるんじゃないかという考えにいたり、福祉の知識を上手く伝えるための道具を作成中です。

 

自分自身や周りの変化について

私自身、この活動を通して自分が将来の夢を諦めなくていいということを知り、自分の心の中の心境に変化がありました。体調のこともあり、ちゃんとした仕事につけるか不安でした。でも小さい頃は何になりたかったっけ、と思ったときに海外の人と関わりたいなとか多角的な視野をもちたいなと思ったことをこの活動をして改めて自分が本当はなりたかった将来があることを思い出しました。この活動をする上で自分を支えてくれる制度があるということを知れて、周りの人と同じような土台をもらい、自分の将来の夢や自分の心境にもとても変化がありました。

また、全校生徒に発表する前にまず、勇気を持とうと思い、自分のクラスメイトに自分の病気についての発表をしました。そのときに偏見だったりとか差別だったりとか思ったことを紙に書いいただきました。書いてもらったのを全部見て、そこで人それぞれだなと感じました。自分の病気のことを発表してからやっぱり態度が変わる人もいました。とても悲しかったです。でも自分の難病を告白したことで自分を支えてくれる友だちを見つけられたので、周りの態度の変化があり、何より自分の自信や難病に立ち向かう勇気にも変化がありました。

中高生へのメッセージ

今年の4月から「合理的配慮」が法律で義務化されました。この考え方が当たり前になったということです。法律になったことにより少し怖いと思う方もいるかもしれませんが、この法律を一言で言えば「思いやりと合理的」です。これは、今まで皆さんが、やってきた思いやりの行動が合理的だと考えられているものだと私は探究を通じて感じました。
もし、自分や自分の家族がある日障害を持ってしまったらあなたはどんな社会であって欲しいですか。
そう一人一人が考えることにより、障がい者のかたが過ごしやすい、社会になるのではないかと思うので、今一度考えてみて欲しいと思います。

 

素敵なお話をありがとうございました!

吉田さんの活動のInstagramはこちらから

 

 

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