【高2留学・本編】海外じゃなくて、「地方」に留学?

【高2留学・本編】海外じゃなくて、「地方」に留学?

9期のつかです!
今回は、山形県立小国高校地域みらい留学で留学しているの方にインタビューしました。
番外編もあるので、ぜひご覧ください!

番外編高2留学(山形県立小国高校)

 

地域みらい留学とは?

(公式ホームページより引用)

中学卒業後3年間地域で過ごす「地域みらい留学 高校進学」、
高校2年生時に1年間地域で過ごす「地域みらい留学 高2留学」という
2つの制度をご用意してます。

ちなみに小国高校は、「中3対象」&「高1対象」
詳しくはこちら→地域みらい留学  公式HP

 

自己紹介

木幡さん(以下、木幡) 埼玉県から留学してる、木幡泉希(mizuki_oguni_365)です。最近一番楽しいことは、町の人とどっかに出かけることです。

瀧さん(以下、瀧) 僕は岐阜県から留学しています、瀧慎一朗(@ogungyars)と言います。留学してから11kg太りました。

ハウスマスター(以下、ハウス) コーディネーター兼、寮のハウスマスターの阿部です。横でサポートします。

–11kgですか!?

 一人暮らしすると、管理を自分たちでしなきゃいけないので、好きなものを買いすぎると、太っちゃうんです。まさにダメな見本ですね。留学する人は自己管理をできる人じゃないと大変です…(笑)

 

留学するまでの経緯

–まず、地域みらい留学365を知ったきっかけは何だったのか教えてください

木幡 えっと、僕は通っていた埼玉の学校で、去年の6月くらいに地域みらい留学365のチラシが配られたので、それを見て知りました。

 地域みらい留学の3年間のプログラムが他にあって、一昨年から僕はそっちに登録してたんです。そうしたら、登録していたメールに去年、1年間の留学プログラムがありますよっていうのが届いて。僕はそれを見て知りました。

–親御さんから反対とか受けませんでしたか?

木幡 僕は、「あなたがやりたいんだったら、応援するよ」って言われました。

 僕は、冬場にとてつもなく体調を壊したことがあるくらい、病弱な体なので、「おまえ、行ったら留年するぞ。やめたほうがいい。」って、学校の先生とかお医者さんとか親からすごい止められはしたんですけど…。そんなの知るかよって言って出て来ましたね(笑)

–どうやって説得したんですか?

 実は留学に必要な、契約書みたいなものがあるんですけど、自分でそれをすでに書いていて…

–強行突破したんですね!不安はなかったんですか?

木幡 いや、僕は不安とかはなかったですね。ひたすらずっと楽しみでした。説明会に出ているときに小国町の人が優しくて、その人々に惹かれて小国高校に決めました。

 僕は不安というよりかは、「なんで行くんだろう、行きたくねーな」って思ったりして、留学直前にナーバスな期間がありましたね。着いた直後も「なんでここにいるんだろう」っては思ってました、正直(笑)

–行きたかったわけではなかったんですか?

 行きたいんですけど…自分でも体調崩しやすいってのはわかってたし、やっぱり留年する危険性ってのも大いにあったんです。留年を取るか、留学の楽しみを取るか、みたいなまごまごした状態だったんですけど、「えーい知るか!」と最後は思って。将来の自分に賭けました。

—留学前はコロナ禍で、なかなか現地に行けなかったりして、留学先を決めるのは難しくなかったですか?

 説明会は全部オンラインでやっていました。オンラインで月に一回、留学についての全体の説明会があって、留学校ごとの説明会(ブース)も別日にあったり。

木幡 結構、吟味する機会がいっぱいあったんで、意外とコロナ禍でオンラインの説明会があったから、ちゃんと悩めたのかなっていうのはありますね。

 やっぱコロナ禍で現地に直接行くことができないからこそ、深い部分を自分から知ろうとして、いろんなことを調べました。コロナ禍じゃなかったら、こんなに深く掘れなかったんじゃないかって思うくらい掘れたので、これはオンラインでできるいいところの1つだと思いますね。

–オンラインってデメリットばっかりかと思っていました…

 僕は留学するまで小国町に行ったことなくて。初日に着くまでも、景色とかはGoogleストリートビューだけが頼りだったんです。

木幡 僕もです。

 そんな状態だからこそ、自ら調べて動くってことをしないと厳しかったです。だから、留学前に現地に行くってことよりも、結果的には充実した期間を得られたと思います。

–留学するまで、行ったことなかったんですね!

木幡 行こうとはしたんですけど、現地から止められちゃったりして。なんだかんだで行かずに留学が決まって、初日に初めて来てすぐに留学開始、みたいな感じでしたね。

 僕も、行きたかったんですけど、実は岐阜から小国って片道7時間かかるんですよ。正直コロナ禍だし、本当に行くのが大変だったんで、行きませんでした。

ハウス ほんとはね、留学前にみんな来てもらうって話だったんですけど、コロナで無理でした。

 留学の条件の一つに、『現地に来る』っていうのがあったんですけど…ご時世を踏まえて、柔軟に変更していただきました。

 

 

この高校の「探求学」は普通じゃない?

–HPを見ると、珍しい授業がたくさんあるような気がするのですが、どんなことをされているのですか?

 白い森未来探究学」という、小国町に関連した探究学をやっています。僕の直感ではあるんですけど、普通の学校の総合的な探究の授業っていうのは、良い意味で教科書の枠組みに沿ったものだと思ってるんですね。

 でも、小国高校の「白い森未来探究学」ってのは、探究できる枠をもう少し大きくして、自分の興味を持ったことにたくさん触れさせてくれるような授業です。

例えば、アニメが好きな子がいたら、アニメを使って国際交流しようだったり、商品開発がしたい人は、地域のいろんな大人の人にコンタクトを取って、自分たちで商品開発してみたり。自分のLIKEを、またひとつ先のステップに進められるようなものだと思ってますね。

–自分のやりたいことは、自由に進めることができるんですか?

 そうですね、基本的には、やりたいことを止めてくれないっていうか(笑)

僕のプロジェクトのタイトルが「渡り鳥救出作戦」っていう、すごい変なタイトルなんですけど(笑)普通の学校だったらはねられると思うんですが、この学校は、良いじゃんって言って通してくれて。良い意味でゆるいというか、生徒と”並走”というか…

木幡 ”伴走”な

 そう、”伴走”してくれるような。普通の学校というのは、先生が前にいて、生徒をこっちだよって引っ張ると思うんです。でもこの小国高校は、教師が生徒の横に並んで、一緒に進んでくれるんですよね。引っ張るんじゃなくて、常に一緒に進んでくれる。だからこそ、いろんなことに挑戦できる環境だと思ってますね。

木幡 2年生の間は「マイプロジェクト」っていうのに生徒それぞれが挑戦するんです。自分の好きなものは何かを自問自答して探し出し、自分のマイプロジェクトを決めるっていう期間が5月下旬にちょうど終わったぐらいです。やっぱり、去年まで僕が埼玉にいた時は、全くそんな授業もなかったんで、やっぱり小規模校だからこそできることなんですかね。

 

 

クマの狩り方を教えてもらえる高校?

–小国町ならではの体験みたいなのってありますか?

木幡ハウス 『マタギ』でしょ 

木幡 『マタギ』ってご存知ですか?

–マタギ?わからないです…

木幡 小国町には、マタギっていう、昔からいる猟師の文化が残ってるんです。年明けくらいに、ウサギ狩りとかを手伝わせてもらえるって話を聞いているので、楽しみに待ってます。

ハウス ウサギとかイノシシとか、そしてクマね。クマのイメージが一番強いんですけども。

 小国高校のキャラクターに、クマをモチーフにした「おぐまん」っていうキャラクターがいまして。クマっていうのが小国町の一つの文化みたいです。僕たちが交流会に行った時も、普通にゲージの中に入った子グマがいて、「あ、これクマなんだけど、治療中なんだよ」っておばあちゃんから言われて(笑)本当にクマのイメージが強いですね。ここに来てからも、豚肉、鶏肉とおんなじくらい熊肉食べてますし…そんなには食べてないな(笑)

3人 爆笑

 熊肉であったり、イノシシ肉や山菜などは小国町では有名なんですけど、そういうのを地域の方から頂いたりします。そういったものも地域みらい留学だからできる、一つのことではあるんですかね。

–熊は近くにいるんですか?

木幡 僕は見たことはないですけど、いるらしいです。

 僕たち、寮で暮らしてるんですけど、夜に「星見てきます」って寮の人に言ったら、「おお、熊に襲われるといけないから、あんまり遠くまで行くなよ」って言われました…

ハウス でも3週間前くらいに車で走ってたらね、クマいました(笑)うわ、やべえと思って。

3人 (爆笑)

–結構大きかったですか?

ハウス 大きい、大きい。だけどツキノワグマなので、そんな積極的に人を襲って食べるとかはなくておとなしいです。ちなみに、今リンク送ったんですけど、二人が参加した探求学の第一回目。毎年、オープニングはマタギ講座っていうのをやってるんですよ。これ、YBC山形放送で報道されたんです。

 日本テレビ系列のチャンネルです。クマ役は僕です。

(送ってもらったリンクはこちら→もりたんオープニング講座

–何か被ってますね

木幡 それ、熊の皮です。被らせていただいて。

–そうなんですね!これはやっぱり本物ですか?

木幡 本物です。

–すごい…一番上の写真は、何をしているところですか?

 写真で僕、棒持ってると思うんですが、「襲ってきたクマの心臓部分をガシッと突いて、クマの体重で殺す」っていう、昔のクマの狩り方を教えていただいたんです。だから、写真はそれを実践しているシーンですね。ちょっとだけクマに詳しくなれる留学です(笑)

ハウス 近くに寄って行くと、クマは必ず立ち上がるらしいんですよ、習性として。襲いかかってくるから、その襲いかかってきた体重に、槍をグサッとするっていうのが、銃が無かった時代の狩り。

 そういうのを学べるのが、小国町の一つの魅力です。

ハウス 教えてくださった方は、もう300年、400年前からマタギをやってる一族の方なんですよ。だから今もマタギをやっているっていうのは、全国的に見てもかなりレアなケースだと思いますね。

–「マタギ文化」なんて聞いたことなかったので、びっくりです。写真では、棒で刺されてますけど痛くないんですか?

 いやー正直、怖いんですけど、実際に刺されてはいないので、痛くはございません(笑)ああ、襲われるクマってこんな気持ちなんだって思いました。

 

2人が留学して感じたこと

–留学して感じたことはありますか?

木幡 去年まで僕、中高一貫の男子校にいたんです。それなりの進学校って言われるところにいたんで、大学に行くのは当たり前だし、なんていうか、優秀かどうかは、全部成績で決まるんですよ、やっぱり。なので、大学に行くために勉強してるし、大学で勉強するために高校で勉強してるって感じだったので、それが当たり前だと僕は思っていました。

木幡 でも、やっぱこっちに来て、人を決めるのは成績だけじゃないっていうのを痛感しました。自分のやりたいことをやって生きていくという生き方があることを知ったんです。だから自分もやりたいことをやって、高校生活を送りたいなって思ってます。

 僕は、通信制高校から留学をしているんですが、通信制高校っていうのは小国高校とは違って、全く180度違うような場所だったんで、やっぱり普通の青春が今、できてるような気がしますね。僕の学校は、教室で昼休みゲームしてるのが当たり前だったりする環境の学校だったんで、それとは違う普通の学校に行きたいなって思ってたんです。だから、行けて良かったというよりかは、嬉しいっていう気持ちもありますし、やっぱり小国高校だからこんなに楽しめてるのかな、っていうのはあります。

 同じように、地域みらい留学365で留学してる他の子たちの学校とは違って、小国高校は地域みらい留学365の受け入れ校の中で最多の5人なんです。だからすごく楽しいですし、5人の中でいろんな人がいるからこそ、たくさんのことを知れるような場所です。

メッセージ

–最後に、地域みらい留学365に興味を持ってる高1にメッセージお願いします。

 僕は一度、3年間留学のほうに行こうとして、諦めた人間なんで、後悔をしてたんです。だから迷ってるのに行かないと後悔するっていうのを知っています。もし行こうか悩んでる人が読んでくださっている方の中にいるのならば、とりあえず踏み出してほしいです。不安だから踏み出してはいけないって、思いがちだと思うんですが、僕はとりあえず一歩踏み出しました。後悔をしたっていう経験をもとに、「いいや、とりあえず行こう!」っていうふうに思えたんです。

 来た当初はさっき言った通り、「え?なんで来たんだろう」とか、「田舎じゃん」とか変な偏見ばっか持ってたんですけど…2ヶ月経った今は、毎日楽しいことばっかで、寮でも笑いは絶えません。笑わない日がないくらいいろんな人と関われる毎日です。結果、あの時の後悔を取り戻した、みたいな感じ。むしろ、お釣りが来るくらいです。

 留学前は、親元を離れることとかにナーバスになると思います。でもやっぱりそういうのを乗り越えるためには、「目標に向かって突き進もう」っていう志を持つことが大事です。そうしたら、行ってからも成功できると思います。まずはなぜ行きたいのかを自問自答して、一本の志を持ってほしいです。なんでも良いから、とりあえず志だけ持ってください。それがあれば、留学は大丈夫と思います。以上です。

木幡 まあ、志とか言われたあとに言うのも恥ずかしいんですけど…。ここに来て一番、大人に訊かれることは、「なんで来たの?」って言う質問なんですよ。気になるんでしょうね。こんな田舎に、なんで来たのかなっていう。でも、楽しそうだったからっていう理由が一番大きいんですね。

木幡 自分がやりたいことを他人に話したら、いろんな人に反対されることのほうが多いと思います。でもやっぱり、踏み出した方が人生楽しくなるので。自分がやりたいって思ったことを優先してほしいです。

僕は、留学を考えている全員に、小国高校に来てほしいとかはあんまり思ってないんです。でも、自分が留学に行きたいと思ったら、ぜひ踏み込んでもらえれば、楽しくなるんじゃないかなーと思います。宣伝みたいになっちゃうんですけど、僕の過去にインスタに投稿した動画とか、自分で見ても、なんかすごい楽しそうなんですよね(笑)

 僕のTwitterも見てください…(小声)

木幡 それを見ていると、すごい楽しんでるなって思うんです。たまに、なんで生きてんだろうとか思う人いるって聞くんですけど、そんなこと考えずに、楽しみたいと思ったらぜひ踏み出してほしいです。以上です。

ハウス 本当に、どんな子が来るのかなっていうのが、関わっている大人側からしたら面白いんです。小国高校は、通信制や男子校、女子校、中高一貫だったりといろんな形の高校から留学に来ていて。今の時代で何かしらの足りないものを求めてる高校生の嗅覚、すごいですよ。

ハウス これから必要になる「生きる力」を持ってるものは、やっぱりマタギです!地域の農家の人たちは、生きる力がすごいわけです。そこに留学生が浸っていって、彼らがどうなっていくのかっていうのはすごく興味深い。ここに来ている留学生は偏差値以外で生きていく、これからの日本のロールモデルになってくれてるんで、本当に楽しみだなって思います。ただただ自由に生きてもらって、どういう大人になるのかを見てみたいっていうのはありますね。だから、もう何も言わない(笑)好きに生きてほしい。それだけです。

 すいません、最後に一言だけ。木幡がこの質問されたら答えるって言ってたことです。「考えるな、感じろ」だそうです。

3人 (爆笑)

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