Pearson Seminar on Youth Leadership(PSYL) リーダーシップを学ぶ三週間のサマースクール

Pearson Seminar on Youth Leadership(PSYL) リーダーシップを学ぶ三週間のサマースクール

こんにちは!UWC ISAK Japan、高校2年生の伊藤澪里です。 実は私、ちょうど一年ほど前にも記事を書かせていただいています。お久しぶりです! 今回は、私の学校、UWC ISAK Japanの先輩高校である、Pearson College UWCで行われた3週間のサマースクール「Pearson Seminar on Youth Leadership(PSYL)」について皆さんに紹介させていただきます。UWCの高校を目指している方であれば、PSYLについて耳にしたことがあるかもしれません。私の友達にも自慢していることですが、このプログラムは「小説にしないといけないくらい」たくさんの出来事が詰まっている、とても魅力的なプログラムなのです。PSYLの全てをお伝えすることはできないかもしれませんが、ワクワクが少しでも皆さんに届いてくれることを願って、是非最後まで読んでみてください!

私は今回、このプログラムに文部科学省の運営する「トビタテ!留学JAPAN」を利用して留学してきました。私は、トビタテから出される事前課題でスケジュール把握や心の準備などをすることができたのですが、旅に出る前にある程度の自分の留学に対するイメージを持っておくと、すごく役に立ちます。ぜひ試してみてください!

このキャンプって何なの?
公式ホームページやキャンプの名前からも想像がつくように「リーダーシップ」を学ぶためのプログラムなのですが、PSYLの目的は特に「自分を変える・新しい自分を発見する」ということにあると私は思います。講演やワークショップをメインとして毎日のスケジュールが組まれていますが、カヤックやカヌーなどのOutdoor ActivityDance Party、映画鑑賞等の、皆で楽しいことをするFace-Time Activityを楽しむ時間も、ほぼ毎日あります!とりあえず「毎日新しいことをする、自分磨きのサマースクール」というのが私の中でのPSYLに対するキャッチコピーです。

 

1日の典型的なスケジュール
朝は9時から「Community Building」という朝礼のようなものがあります。1日を元気よく過ごすために、ラジオ体操的な短いゲームをした後、その日の予定が発表されます。その後「Community Building」という、より良いコミュニティを作るために、プログラム内で起きた問題と改善点などを話し合うディスカッションの時間になります。ここでとても面白かったのが、プロポーザルを出すときに、多数決ではなく参加者全員が納得できる決定まで持ち込まなければいけないというところです。結論が出るまで時間はかかりますが、コミュニティ内の1人1人が平等に扱われ、誰の意見も無視されない、というのはとても素晴らしいことだと私は思いました。
「Community Building」の後は10時からお昼も挟んで16時までワークショップなどをする時間になります。午前と午後でアクティビティが異なることもありますが、自分を深く探ったり、様々なトピックについて学んだりする時間です。16時から17時半の夜ご飯までは「CARPE DIEM」と呼ばれる時間になります。クラブ活動のようなもので、何個かあるオプションからその日にやりたいものを1つ選びます。カヤックやカヌーなどもでき、参加者自身もアクティビティを企画することができるので、他の国のダンスを学べたり「Chill and Music」という、だらだらするだけの企画もあったりと、かなり自由な時間でした。ちなみに私は「ソーラン節」を他の参加者に教え、最後の週のタレントショーでのグループ発表まで成し遂げました!
夕食の後は、19時から「Spirit Spot」という時間です。45分間、キャンパス内の自分で決めた場所でお昼寝をしたり、瞑想したり、日記を書いたりと、やることは自由ですが「1人で」心を落ち着かせる時間です。毎日がとても忙しいので、初めは退屈に思えたのですが、私にとっては、心と体を休めることができる貴重な時間でした。20時から21時までは、いつもはドキュメンタリーを観たりダンスをしたりする時間になりますが、金曜日にはタレントショーがあります。
21時から22時半までは「Face Time」と呼ばれる時間でした。この時間は強制ではなく、私も疲れていた時は参加しませんでしたが、皆でダンスパーティをしたり、ゲームをしたり、映画を見る時間です。21時からは自由時間なので「Face Time」に参加しなくても、友達とスターゲージングをしたり、温かいお茶やホットチョコレートを飲みながらカードゲームをしたりもすることも可能でした。少し変わっていると思われるかもしれませんが、私は自然が大好きなので、夜中の12時頃に海の見えるベンチに座って海の音を聴くなんてこともしていました。

私がシェアしたいストーリー!
皆さんにシェアしたいことは山ほどあるのですが、今回は3つ、特に印象的だったことを紹介します。
まず、簡潔に、蜂に刺されました!ハイキングをしている途中に蜂の巣がある木に近づいてしまったらしく、人生で初めて蜂に刺されました。痛い以外、命に別状はなかったのですが、もうこれからは蜂と仲良くできません。
次に、私の人生で初めてフラッシュモブをしました!3週間のプログラム中1日だけ市街地に出たのですが、その貴重な1日を使って、私たちはビクトリアの市民の皆さんを驚かせに行ったのです。まず初めは、いくつかに分かれたグループで町中を移動します。私たちのグループはSlow Walkをしながら歌を歌ったり、道ゆく人に賞賛を書いたメモを渡したりしていました。少し開けた場所で皆がバラバラに座り込んで「Spirit Spot」を始めると、道行く人たちが、私たちが「変なこと」をしている様子を動画に撮ってくださり、単純に面白かったです。全部のグループがビクトリアの有名な建物の前の広場に戻ってきた後、全員揃ってフラッシュモブをしました。初めは参加者の3人だけが太極拳を始めるのですが、そのあと人数をどんどん増やしSyrian Dance、Indian Dance-Maahi Veを踊りました。
最後に、この先1番私の心に残るであろう経験です。私は親友がパレスチナのガザに住んでいることもあり、もともとイスラエル・パレスチナ問題にとても興味がありました。3週目の初めの方の日に「Voice」という、自分の関心ごとを共有したい参加者が、他の参加者に向けてワークショップやTEDトークなどを開くことができる時間があり、そこで私は、パレスチナ・イスラエル問題に詳しいカナダ人の友達と、模擬国連でパレスチナ・イスラエル問題について勉強した台湾人の友達と、シリアのパレスチナ難民キャンプで生まれ育った友達とチームを組み、他の参加者に向けてパレスチナ・イスラエル問題に関するシミュレーション型ワークショップを開くことができたのです。思い通りに進まないこともあったのですが、チーム内での反省会や、参加者からのフィードバックを受け、初めてのワークショップとしては上手くいった、とチームで喜び合いました。何よりも嬉しかったのが、そのシリアから来た友達がすごく誇らしそうにしていたことと、ガザにいる親友にワークショップを開いたことを伝えたら、とても感心してくれたことです。今までパレスチナ・イスラエル問題について気にしてはいたものの、あまり何も行動を起こせていなかったため、第一歩になった経験でした。

終わりに〜長いようで短い最高のサマースクール
私は英語に自信がなかったこともあり、3週間キャンプの全員と仲良くなれるかどうか不安でした。しかしこのキャンプでは「誰も取り残さない」コミュニティを目指して、コーディネーターも英語が得意な参加者も、もちろん言語が問題だと感じていた参加者も協力し合いました。英語が得意でなくても「Language Buddy」という、英語を助けてくれるパートナーがサポートしてくれますし、自分がオープンであり続けるかぎり、言語の壁は問題ではありません。ポジティブな思考で頑張れば、全ての経験から新しい自分を発見し、また「なりたい自分」もはっきり見えてきます。PSYLは、私に多くの気付きを与え、多くの新しい経験をたくさんさせてくれたサマースクールでした。今回の記事でシェアできていないワークショップやプログラムはまだまだあるのですが、百聞は一見に如かず、幻のユートピアのような経験を求めている方、ぜひPSYLに参加してみてください!

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