全ての子供達が「私は私だから最高!」と叫べる世界に – 道徳教育ミュージカル”転校生”体験談-

全ての子供達が「私は私だから最高!」と叫べる世界に – 道徳教育ミュージカル”転校生”体験談-

皆さんはじめまして!8期のかほです!

今回はミュージカル活動などの様々な活動を通して私は私だから最高!」と全ての子供達が胸を張って叫べる世界を目指す山尾 楓子さんに「道徳教育ミュージカル”転校生”」についてお話を伺いました!

 

道徳教育ミュージカル”転校生”とは

多様性が重視される世の中になってきたとはいえど、自分の個性がなんなのか分からない、自分の居場所とは?存在価値とは?と、見えない不安と闘っている10代に溢れている国、それが日本です。

この今の現状を変えたい!
同世代で悩んでいる人たちを救いたい!
この作品演じることで弱い自分を変えたい!
大好きなミュージカルを通して日本中の子供達に心の居場所を作りたい!

という私と同じような思いを持った仲間が集まり、取り組んでいるプロジェクトが「道徳教育ミュージカル ”転校生”」(NPO法人 JOY kids’ Theater主催)です。

 

学校は僕達になにを教えてくれるの?
親にも先生にも本当の気持ちは話せない。
毎日つまんない。毎日疲れる。
いじめられない方法は誰も教えてくれない。
あの子に逆らえば明日から居場所がなくなる。
僕達の声、聞こえてますか?

これはこのミュージカル転校生の冒頭で、私たちキャストメンバーの実生活での体験談を元に脚本された部分です。

このお話の主人公は、第32公立学校に転校してきた新しい生徒(New Kid)のザック。転校初日、ザックには、三つの試練が課せられる。

それは、校内のかっこいいグループに所属するために、必ずクリアしなければならないものであった。
本心とは裏腹に、周りからの圧力に負けたザックは、悪い事だと分かっていながら、その試練をこなしていく。

しかし、ザックは次第に、人を傷つける行動を心から楽しんでいないこと、そして自分らしくあることの大切さに気付き始め、自分の信じた道を歩くために一人で立ち上がる。
ザックの勇気ある行動に共感した生徒たちは変わり始め、やがて学校全体も変わり始める。  

と言うようなストーリーです。


この作品は1999年にアメリカで実際に子供たちの声を聞いて作られたミュージカルで、2011年に私たちNPO法人JOY kids’ Theaterにより日本初上陸。
翌2012年には、東京都青少年治安対策本部より、青少年の健全育成に有益な作品として、初の東京都推奨演劇として認定を受けました。
その後、関東県を中心に1万人を超える生徒児童、教育関係者、地域の方々の前で公演を実施してきました。

みんなに好かれるよりも、わかり合う大切さ。
「正しいことをするほうが難しいこともあるけど、自分に嘘をつかないで。
これが、この作品で伝えたいメッセージです。

転校生のサイトはこちら
http://joyhome.or.jp/contents_newkid/

 

メンバーの活動

 

普段は小学校中学校の道徳授業の一環として、体育館にお邪魔することが多いです。
上演後には、ワークショップを行い、作品を見てくれた子供たちと直接コミュニケーションを取る時間を設けています。
私たちはこのワークショップの時間を、すごくすごく大事にしています。

どの登場人物に共感できた?どんなことを感じた?と、先生という立場ではなく、あくまでもファシリテーターという立場で子供たちとの話し合いを進め、ワークショップの最後にはこの作品の歌の一部をみんなで一つの輪を作って歌ったりもします。

ワークショップ序盤では話しかけても目を全く合わせてくれなかった子と2人で話す時間を少し作り、その子の学校生活での悩みを聞き、私なりにその子に寄り添った結果、ワークショップ後に私のところまでわざわざきて、目を見て「ありがとう!」と言ってくれてその子の中の小さな、でも確かな変化を感じられてすごく嬉しかったのを今も鮮明に覚えています。

話したことない子ともっと関わってみようと思った。
いじめに遭遇した時どうするべきか考えられた。
自分の意見をもっと言ってみようと思った。
などの感想を頂いてきました。

また、定期的に教育関係者やメディアの方々をお呼びし、スタジオ公演を行いこの活動を広める場とさせて頂いています。
私たちキャストは自ら自身の通う学校や母校の校長先生へオファーしに行ったり、このように自身の活動を発表する場で転校生のことを話したりして、少しずつこの活動を広めています。

”ミュージカル”をツールにすることには、
・子供たちの興味を惹きつけることができる。
・音楽の力でより強くメッセージを伝えることができる。
・楽しみながら登場人物に自分を重ねることで自身を見直すことができる
など様々なメリットがあります。

この活動の醍醐味は、”子供が子供に伝える”という部分です。
私たちキャストメンバーは決してプロではありませんし、普通の学校に通っている普通の生徒です。
将来の夢もさまざま。建築家になりたい子、お医者さんになりたい子、などみんな自分の夢に向かって日々励みながら、その一環として転校生の活動をしています。

私たちは作品を通して1人でも多くの子供達が自分には居場所があるんだ、と確信できるような世界を作っていくことを目指しています。

少しずつではありますが、このようにしてさまざまな学校に力強くメッセージを伝えきました。
ですが、このメッセージを伝えるという行為は、私自身にも大きな変化をもたらしているのです。

 

楓子さん自身の変化

実は大勢の人の前に立って話したりすることは、ミュージカル教育と出会う前の私では想像のできないようなことなんです。
なぜなら私は人見知りで、自分で自分の限界を決めつけ、自分より優れた人をただ遠くから見ているだけ、そんな女の子だったからです。

本音を話せる友達などおらず、常に周りにいる子たちの顔色を伺い、傷つくことを言われても、必死に愛想笑いをして、自分の感情を殺して生きていました。毎日毎日繰り返される嘘の毎日にうんざりし、感情だけではなく、自分自身を消してしまおうかと思った時もありました。

でも、ミュージカルでであった仲間は私にありのままの自分でいれば、必ずそれを受け入れて、愛してくれる人がいるんだよということを教えてくれました。
本当の自分を出すことほど、当時の私に怖いことはありませんでした。
でも、この作品に一緒に取り組んでいる仲間のおかげで、少しずつ本当の自分を愛せるようになったのです。人生が、楽しくなりました。
そして、この仲間と共に日本の子供たちを救いたい、そう思うようになったのも、このプロジェクトに参加したきっかけのひとつです。

 

楓子さんの今後

「私は私だから最高!」全ての子供達が胸を張ってそう叫べる世界を目指しています。
平成30年に行われた国立青少年教育振興機構のアンケートによると「自分を価値のある人間だと思いますか」という問に「はい」と答えた生徒は半数以下であり、自ら命を落としてしまう若年層は年々増加傾向を見せています。

子供達が、「自分」を受け入れられる教育環境作りが必要であると考えます。

その為、私はミュージカルコミュニティを日本全国各地に創立し、子供達の自己受容の心を養う事業を設立したいです。

ミュージカルは、ダンス、歌、芝居の全ての要素が詰まった総合芸術であり、人間の文化のほとんどの領域を包含しています。
また、心身の健康や芸術的感性、言語能力の向上などを図れるだけでなく、作品によっては海外の文化や歴史に興味を持つきっかけを得たり、生徒児童の知見を広げる良い教材ともなります。

私の母は、「学校、家庭とはまた別の第3の居場所を作っておけば、そのどちらかでつまずいても孤独を感じることはなくなる」という考えから、幼い私にミュージカルという居場所を作ってくれました。

コミュニティに所属することは、精神的な居場所や心の避難場所を増やすことになります。
全ての子供達に一つでも多くの居場所を作ってあげることこそ、自己受容の心を養うきっかけや、新たな自分を発見するきっかけに繋がると考えます。

だから私はミュージカル教育を用いた、子供達の第3の居場所作りがしたいです。

いかがでしたでしょうか!全ての子供達が「私は私だから最高!」と叫べる世界って素敵すぎますね〜〜!

楓子さんが運営しているインスタグラムアカウント「夢が叶う、夢が見つかるキッカケが集まる広場 “夢広場”」も是非覗いてみてください!
https://www.instagram.com/yume_hiroba_/?hl=ja

画像提供:NPO法人 JOY kids’ Theater

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