人生史上最高の夏を!AIG 高校生外交官プログラム

人生史上最高の夏を!AIG 高校生外交官プログラム

みなさんこんにちは!
香川県立高松高校3年の中條那子です。
私は今回、『AIG高校生外交官プログラム』について紹介したいと思います。
このプログラムには、日本の高校生40人をアメリカに派遣する「HSD U.S.プログラム」と、アメリカの高校生20人を日本に受け入れる「HSD JAPANプログラム」の2つがあります。(HSDとはHigh School Diplomatsの頭文字をとったものです)

私は昨年(2018年)の夏、渡米して活動する「HSD U.S.プログラム」に参加しましたので、こちらについて詳しくご紹介したいと思います!

HSD U.S.の概要

HSDとは、日米の異文化交流を通じた相互理解を目指すとともに、文化の壁を超えた人間交流を通じて自分の殻を破り、新たな自己を発見する、参加費無料の短期留学プログラム。
参加費(滞在費、食費、授業料等)は、AIG損害保険株式会社およびフリーマン財団からの協賛金・寄付金で賄われますので自己負担は一切ありません。
日本からは、毎年40人(男子20人、女子20人)の高校生をアメリカに派遣しています。(内容の一部公式サイトから引用)

参加までの流れ

・渡米前年の12月頃 応募開始
・1月下旬 書類選考締め切り
(この時点で、例年約1000件の応募者の中から100 人以下に絞られます。)
・3月中旬 面接試験 (東京までかかる費用も出していただきました。)
・4月 派遣決定
・4月~7月 事前準備
・7月~8月 プログラム本番!
※参加の対象となるのは、全国各地から集まる日本の高校、高専に所属する高校2年生と3 年生。(応募段階では1年生もしくは2年生)
※日本国籍である必要はありませんが、中学入学以降365日以上の海外滞在経験のある生徒 は残念ながら応募できません。

渡米プログラムのスケジュール

その年によって多少変化しますが、大まかな日程は上記の通りです。

事前準備(4月〜7月)

選考によりプログラム合格が決まり次第、ツアーで訪れる場所の下調べ、アメリカで行うプレゼンテーションやイベント、英語で行われるディスカッションなどに向けて向けて準備を開始しました。一緒に渡米するメンバーとスカイプで話しあうのですが、最初はドキドキの自己紹介から…。緊張したことを覚えています。
学校や部活などみんな忙しい中、スケジュールを合わせることも大変でしたが、このスカイプによる準備で、渡米に向けての気持ちが高まりました。

事前合宿

59668776_388407908553688_3734267102282907648_nいよいよ渡米直前!
今まで画面越しでしか話すことのできなかった仲間40人が初めて顔合わせしました。
ここでは事前に準備してきたプレゼンなどの確認を行いました。まだ話したことのない仲間と自己紹介しあったり、渡米するにあたってのマインドセットを行ったりすることによって現地でのプログラムに備えました。

ワシントンD.C.ツアー

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アメリカの首都であるワシントンD.C.にあるアメリカの国家機関を訪れました。
(議会議事堂、国務省、議会図書館、ジェファーソン記念館、IMF(国際通貨基金)、世界銀行、戦争のメモリアル、ホワイトハウス、ペンタゴン(国防総省)など。)

政治・歴史・経済・文化の面から、アメリカへの理解や関心を高めました。実際に自分の目で見学したり、国際舞台で活躍する方々や職員の方にお話を聞いたりすることで、教科書や本では得ることのできない勉強ができました。どの施設も一般の人が簡単に入れるところではなく、本当に貴重な経験でした。ペンタゴンでは職員の方にアメリカの国家機密についてのギリギリの質問をして、ヒヤヒヤする場面もありました(笑)

ホームステイ

59756480_420818998739811_4778346615121379328_n.jpgそれぞれホームステイ先は違いますが、私はもう一人の参加メンバーと一緒に、バージニア州近郊でホームステイをしました。アメリカ側の参加者であるキャサリンと、その兄と妹2人、お父さんお母さんの6人家族で、明るくあたたかい方たちにお世話になりました。ここで私はキャサリンと仲良しになりました。
私は小さい頃からディズニーチャンネルのドラマや映画が大好きで、アメリカの文化や生活に強い憧れを持っていました。キャサリンの家では、実際のアメリカ人のティーンエイジャーの日常を体験でき、自分がまるでドラマの中にいるような幸せな時間を過ごすことができました。
家族みんなで大きなキッチンでピザやカップケーキを作ったり(どれもビッグサイズ)、スーパーにお買い物に行ったり、プールの後ファストフードを食べに行ったり、ドライブで遠出したり、夜中までガールズトークで盛り上がったり、…。日常生活を共にすることで、アメリカの若者の文化を知ることができ、とにかく楽しかったです。
ここではたった4日間のステイでしたが、別れ際にはみんなで涙を流す関係を築くことができました。ホストファミリーとは今でも近況を報告しあっています。

ニューヨークツアー

59817847_288725542077903_5915635538282414080_n.jpgそして待ちに待った世界の中心、ニューヨーーーーク!!!!!
ニューヨークに向かうバスの中で、テイラースウィフトの「WELCOME TO NEW YORKが」流れて、みんなの気分もどんどん高まっていたその時、テレビでしかみたことのないNY高層ビル群とブルックリンブリッジが見え、歓声(悲鳴?!どよめき?!)がバス中に響き渡ったのを覚えています。
ニューヨークツアーでは、国際連合、自由の女神、セントラルパーク、9.11メモリアル、HARD ROCK CAFE NEW YORK、 MoMA(ニューヨーク近代美術館)、ブロードウェイスターでHSDの先輩である由水南さんのワークショップなど…書ききれない程のたくさんの場所に訪れました。特に9.11メモリアルでは、テロの恐ろしさと平和の大切さを知り、多くの人種が共存するアメリカの文化やそれらを取り巻く問題点などを考えさせられました。犠牲者の方々の写真、遺族の方々の肉声、無惨な姿で残っているビルの一部、当時のニュース映像。胸が痛く、苦しくかったです。選んで生まれてきたわけじゃないけれど、平和な時代/場所を生きる私達には知り、変えていく義務があると思います。
自由の女神やMoMAなど自由の国アメリカの印象しかなかった私でしたが、華やかな世界の裏に潜んでいるものも感じることのできたNYツアーでした。

エクスチェンジ

59612091_339442043424240_6643287317022769152_n-263495008_400989793828654_1629531250895093760_n59885232_2253697994895106_4479311741930438656_nアメリカ側参加者40人が加わり、名門プリンストン大学で10日間の共同生活を行いました。ペアとして24時間ずっと一緒にいるルームメイト(私の場合は同い年のキャサリン)と常に一緒に過ごすことで、相手を思いやることの大切さを知りました。彼女と出会えたことは一生の宝物です!
日本にいる時は、私の拙い英語力でコミュニケーションができるのかと不安でいっぱいでした。でもHSDで出会ったキャサリンをはじめとする仲間たちは、熱心に私の言葉に耳を傾けてくれ、理解しようとしてくれました。そしてみんな、私を認めて温かい言葉をかけてくれました。寝る間を惜しんで、政治のことや将来の夢について語り合いました。そしてみんなで夜中まで歌い踊りました(笑)
そういう時間を共有するうちに、今まではアメリカ人は…、日本人は…、と国単位で人のことを見ていたのが、一人の人間として相手を見るようになっていました。Why?How?彼らから受けた質問に答えて行くうちに、自分自身についても考え直すこともできました。
話す言語や育ってきた環境・文化の違いに戸惑うことがあっても、相手を一人の人間として尊敬すれば、解決の糸口が見えてくる!これがHSDを通じて得た大きな収穫の一つです。

エクスチェンジのアクティビティ

10日間の期間中は毎日テーマが設けられ、それに基づいたアクティビティが行われました。ここでアメリカの1年間の年中行事を早送りで体験することができました。
《例》

Halloween

59796432_659506964499925_8982434692355588096_n60067897_896796984006199_7085580686932836352_nルームメイトのキャサリンが用意してくれた、パルメザンチーズとパスタの衣装で仮装しました。みんなで映画を見たり、たくさんお菓子を食べたり、本場アメリカのハロウィーンを楽しみました。

Date Night

59837460_318845735463378_6023276442446462976_n.jpg男子が女子の部屋をノックして、デートナイトに誘ってくれました。おめかししてお洒落なディナーを食べ、夜までダンスして、アメリカのプロムに憧れてた私には忘れられない夜になりました。男性が女性に優しいレディーファースト文化にも感動しました。(日本と大違い!笑)

Japanese Festival

59686050_351543428823563_825528658872500224_n.jpg日本の文化をアメリカの高校生に紹介するために開かれました。ここでは日本側の私達が茶道、書道、和食、昔遊びや伝統舞踊の体験と発表を行いました。日本から持ってきた浴衣をアメリカの高校生にも着てもらいました。事前にスカイプで準備し、40人全員で作り上げたこのイベントで、アメリカのみんなが笑顔でとても楽しんでくれた様子をみてとても嬉しく感じました。

Diplomats Talks

60182558_802151740171679_804987741556178944_n.jpg人工知能や銃規制と平和構築、国際問題と世界市民などテーマに沿って、ディスカッションが行われました。自分の意見を英語で発表することはなかなか難しいことでしたが、私はいつもルームメイトに助けてもらい、必死に食らいついていくうちに自分自身や自分の意見に自信が持てるようになりました。

エクスチェンジの語学クラス

59746927_395286717992598_1572216634611859456_n互いの言語や文化について学ぶクラスがありました。文法や日常会話、互いの文化背景などを学びました。少人数制で、自分の発言する機会が多く設けられていた点が、日本の高校とは異なる点だと感じました。

エクスチェンジのプレゼンテーション

59745046_317395805603128_7721137719623024640_n.jpg教育・政治・地域の特性・社会問題の4つのテーマに基づいて数ヶ月かけて用意してきた日本に関するプレゼンを、英語でアメリカ人生徒の前で発表しました。
私は日本の「地域の特性と伝統工芸の関係性」に関するプレゼンを行いました。東京などの大都市だけでなく、47都道府県全てが個性や豊かな文化を持っていることを伝えました。
アメリカ側の生徒は、プレゼンをはじめ大勢の人前で話すことに臆することなく、慣れている様子でした。また、自分の意見をしっかり持っていることや、それを表現することが上手だと感じました。このプレゼンを通して、英語やプレゼンスキルを磨くことができただけでなく、日本や自分の住んでいる地域のことをより深く知ることができました。

HSDに参加したい中高生に向けて

「HSDはただの留学じゃない」
これはHSDに参加した私たちが口を揃えて言う言葉です。
ただ語学が上達するために参加するプログラムとは全く違います。まず日本人である私達自身を知ることからスタートし、渡米してお互いの価値感を発表しわかり合おうとするプロセスを経て、最終的には日本の高校生とアメリカの高校生が国籍に関係なく一人の人間として尊敬しあう関係が築けるのがこのHSDの素晴らしいところです。HSDプログラムが始まって30年以上、HSDによって築かれたこの最高のネットワークは今や全世界に広がって、日米間だけでなく世界レベルでの国際相互理解に役立っていると聞きます。ますます多様化する現代において、世界平和や共存共栄を実現するための初めの第一歩がHSD高校生外交官プログラムなのです。(ちょっと大げさですか?)
とにかく、同じ情熱を持った仲間と過ごす3週間は、素晴らしいものになること間違いなし!私にとってももちろん、今まで生きていた中で一番楽しく、忘れられない夏になりました。そして今でもその最高な仲間(家族)と、それぞれの夢について応援しあっています。
「HSDに合格するためには何を勉強したら良いでしょうか?」と聞かれることもありますが、それは英語力や資格によって判断されるものではないと感じています。大切なのは「挑戦しようとする熱意」「いろんな人と分かり合おうとする気持ち」そしてそれを「実行する力」ではないかと思います。私自身も自信のない部分がたくさんありましたが、それを隠さず熱意で臨みました(笑)
異文化交流や充実した留学に興味のある人はもちろんのこと、「自分自身や自分の住んでいる所を世界に発信したい」「国際的に活躍する人になりたい」などそれぞれに大きな夢を思い描いている高校生のみなさん、素晴らしい仲間と最高の夏を過ごしませんか?

私の「HSD」愛溢れるこの記事を読んで、少しでも多くの高校生にこの素晴らしいプログラムについて知ってもらい、私/僕も参加したい!と思っていただけたら幸せです😉

60319224_360660348188970_2844831065212715008_n.jpgHEY GUYS LISTEN UP!!!
DON’T YOU WANNA SEIZE THE WIND?

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