『AIU高校生外交官プログラム』に参加した感想は?募集は?体験談です!!(HSD編)

『AIU高校生外交官プログラム』に参加した感想は?募集は?体験談です!!(HSD編)

『【パイセンに”AIU高校生外交官プログラム”について聞いてみた】by村上栞太パイセン(HSD2016に参加・横浜隼人高校3年)』

<この記事の内容をざっくりと要約すると!>
これは「AIU高校生外交官プログラム」というアメリカとの交流を目的とした、参加費無料の国際サマープログラムの体験談をまとめた記事です

ちょ、ちょっと待って何言ってるか全然理解できない!っていう人はこちら
➡︎「パイセンに聞いてみた!」って何?!、てか何このサイト?!

こんにちは!横浜隼人高校3年の村上 栞太と申します。僕が今回紹介する「AIU高校生国際交流プログラム」には、日本の高校生をアメリカに派遣するHSD(High School Diplomats)プログラムと、アメリカからの高校生を日本に迎え入れるUSHSD(US High School Diplomats)プログラムの2つがあります。

 僕は昨年2016年の夏にHSDプログラムに参加し、三週間の間アメリカに行ってきました。今回はそのHSDについて詳しく紹介していきたいと思います。

プログラム概要:参加費無料でアメリカへ!!

HSDとは、日米の異文化交流を通じた相互理解を目指すとともに、文化の壁を超えた人間交流を通じて自分の殻を破り、新たな自己を発見する、参加費無料の短期留学プログラム日本からは、毎年40人(男子20人、女子20人)の高校生をアメリカに派遣しています。(以下内容一部公式サイトから引用)

参加までの流れ

・渡米前年の12月頃 応募開始

・1月下旬 書類選考締め切り
(この時点で、例年約1000件の応募者の中から100 人以下に絞られます。)

・3月中旬 面接試験

・4月 派遣決定

・4月~7月 事前準備

・7月~8月 プログラム本番!

参加の対象となるのは、全国各地から集まる日本の高校、高専に所属する高校2年生と3年生。(応募段階では1年生もしくは2年生)

※日本国籍である必要はありませんが、中学入学以降365日以上の海外滞在経験のある生徒は残念ながら応募できません。

渡米スケジュール

※2017年度プログラムのものです。年によって渡航時期は多少変わる可能性はありまが、大まかな渡航時期は上の通りです。

プログラムの内容

事前合宿:めっちゃ楽しそう!!

 派遣員に選ばれた生徒は、派遣が決まる4月から渡米する7月にかけて事前準備を行います。後で詳しく書きますが、エクスチェンジプログラムでのプレゼンテーションやジャパニーズフェスティバルの準備、また英語のディスカッションの練習などを、Skypeを使って進めていきます。派遣員たちは、この事前準備にかなりの時間を費やすことになります

 事前合宿では、約2ヶ月半事前に準備を重ねてきたプレゼンテーションやジャパニーズフェスティバルの出し物や、英語でのディスカッションの練習をしたり、渡米前のマインドセットをしたりして、アメリカ現地でのプログラムに備えます。

ワシントンD.C.ツアー:感じたのは〇〇ということ!

 ワシントンにあるアメリカの主要機関を訪れます。主な訪問機関は、国会議事堂、議会図書館、国防総省(ペンタゴン)、IMF、リンカーン記念堂などですが、この他にもたくさんの施設を見学します。また、上に挙げたような国家機関だけではなく、ミュージカル鑑賞をしたり、観光地などを訪れたりすることによって、アメリカの歴史・文化・政治・国際情勢に対して幅広い知見を得ることができます。

 ツアーでは、一般人では入れないようなアメリカの主要な国家機関を多く訪れましたが、そこでは、単に知識を得るだけではなく、文字や映像だけでは表すことのできない本場の「空気」がひしひしと伝わってくるような、そんな体験をすることができました。中でも僕の中で印象に残っているのはアーリントン墓地の訪問で、日米の「戦争」に対する価値観の違いを考える貴重な機会になりました。

 このワシントンツアーで最も衝撃的だったことは参加者の積極性です。プログラム中終始聞いているだけ、という人は本当に一人もいません。HSDプログラムでは英語がペラペラな人から少し苦手な人まで様々な生徒がいますが、そんなことはお構い無しに全員が積極的に質問をぶつけていました。(僕は英語苦手代表みたいな感じでしたが、ツアー中は質問しまくりました。)

ホームステイ:遊び?!いいえ、ちゃんと意味が。

 ワシントン近郊の家庭に4日間ホームステイをしました。ホームステイでは家庭での生活を実際に体験することで、アメリカ文化を直接肌で感じることができます。家庭によってすることは様々ですが、僕の場合はショッピングに行ったり、公園を散策したり、ボーリングに行ったりしていました。

 遊んでるじゃん!とか思われるかもしれませんが(僕の場合は実際結構遊んでましたが)、何気ない生活の中だからこそ得られるものもたくさんあるんです。街を歩いていたりお店に入ったりした時に、ふと気になったことを質問してみたり、ホームステイ先の家族の大学生・高校生とともに日米の恋愛の違いについて語り合ったりしたことは、ホームステイだからこそできた貴重な経験だったと思います。

 僕がホームステイ先で最も驚いたことは、滞在先の家族の方々が、僕たちに対してまるで本物の家族のように真摯に接してくれたことです。たった4日間のホームステイでも、別れ際に涙を流すほど強い絆を築くことができるというのは、このHSDプログラムならでは、のことだと思います。

ニューヨークツアー:感じた参加者の凄さ。

  ニューヨークでは、国際連合、9/11ミュージアム、ブロードウェイ、ニューヨーク近代美術館などを訪問し、アメリカの政治や国際関係、歴史、文化について幅広く学びます。普段教科書でしかみたことがないような国際的な機関や施設に行って、そこで働く人と実際に対話ができたということは、とても貴重な体験だったと感じています。

 僕の中で最も印象に残っているのは9/11ミュージアムでの経験で、テロの際に実際に被害を受けた建物の一部や当時の映像、瓦礫の残りなどを見学しました。見学後は長めのディスカッションがあり、ナショナリティとテロの関係、そして「自分が日本という国に属していることの意味」を理解することができました。

 ニューヨークツアーでは参加者の積極性だけでなく、持っている知識の幅の広さにも驚かされました。国連が大好きな人、近代美術に詳しい人、舞台芸術に精通している人など様々な人がいて、毎日刺激を受けていました。

エクスチェンジプログラム:HSDの真髄とも言えマス。

 日米80名の生徒がプリンストン大学に集まって行われるエクスチェンジプログラムこそ、HSDの真髄とも言えるプログラムです。自分の弱みも強みも全てさらけ出し、互いに本気でぶつかり合う「文化を超えた人間交流」がエクスチェンジプログラムの特徴です。このプログラムでは、日本人1人に対してアメリカ人の高校生1人がルームメイトとして割り当てられ、常に行動をともにすることになります。ルームメイトとは共に寝泊まりし、夜な夜な語り合い、泣き笑いも共にします。たった10日間のプログラムですが、国を超えて一生の友達を作ることができる、そんな貴重な体験をすることができます。それでは、実際どんなことをするのか、説明していきたいと思います。

・アクティビティ

 各日ごとにテーマが設けられ、その日のテーマに基づいたアクティビティを行います。内容は様々で、日本文化体験、ハロウィーン、スポーツフェスティバル、デートナイトなど面白くて多彩な企画を通して日米がお互いの文化について理解を深めました。

・Diplomat talks

 このプログラムでは、私たち日本人派遣員が「外交官」としてアメリカ人生徒とディスカッションをします。「多様性」、「武器利用と平和」、「日米関係」の3つのテーマを元に話し合いを行い、両国の生徒が熱い議論を交わしました。日本人生徒は自ら意見を積極的に発信し、英語力で劣ることはあっても積極性では決してアメリカ人生徒に劣らず話し合いを進めていたことが印象的でした。

・Japanese Festival

 これは日本の高校でいう「文化祭」のようなもので、アメリカ人生徒に日本文化を紹介し、その魅力を伝えます。企画から運営まで参加者が行い、4月から事前に準備を進めていきます。僕の年は日米80人の生徒でソーラン節を踊ったほか、武道、芸術、書道、茶道、和装、和食、昔遊び、伝統芸能についてのブースをそれぞれ作って日本の文化を紹介しました。

・クラス

 クラスでは、主に日米の言語や文化についての授業を受けます。僕の場合は日本人とアメリカ人の人との接し方の違いについて学びました。内容はディスカッションが中心で、日米のデートの違いについてのインタビューなどもあり、日本の一般的な高校の授業とは一線を画した興味深いものでした。

・プレゼンテーション

 日米の参加者がそれぞれの国について「教育」、「政治」、「地域性」、「社会問題」についてプレゼンテーションを行いました。3ヶ月以上準備してきただけあって、どのプレゼンテーションも本当に素晴らしいものでした。アメリカ人の生徒はやはりプレゼン慣れをしていてさすがだな、と感じることもありましたが、日本側の発表も劇やクイズなどをうまく活用し、工夫に富んだプレゼンとなっていました。

 このエクスチェンジプログラムで特筆すべきことは、「参加者同士の一生ものの絆」です。特にルームメイトとは、自分の全てをさらけ出し、全身全霊でぶつかっていく、そんな経験をすることになります。言語も文化も違う生徒と深い人間交流をする、というのは初めはとても怖かったし、難しいことです。でも、勇気を持って自分の中にあるものを相手に伝えることによって「新たな自分」発見できる、それがエクスチェンジプログラムです。

帰国報告会

 日本に帰国した後にこのプログラムのスポンサーである協賛企業や支援団体の方々、学校関係者の方々などにプログラムの報告を行うとともに、全員が「未来への抱負」を宣言しました。

最後に、HSDプログラムに参加したい人に向けて!

 HSDに参加するのはどのような人か?それは決して、全国模試1位を取っていたり英語がペラペラだったり、高校生のうちから起業していたり、という人達ばかりではありません。むしろ、「普通」の高校生の方が多かったように感じます。(僕自身もなんの実績もなく英語も全く話せない高校生でした)でも、HSDに参加した仲間達は皆、今までのどのイベントで会った人達よりも魅力的で、全員が光り輝いていました。

これは完全に僕の意見ですが、ここには2つの理由があると思います。

1つ目は、全員が自分の強み・弱みを深く理解していること。課外活動の受賞歴などは、自分の実績を人から評価されるものです。しかしHSDの参加者は、「ここは絶対他人には負けない」自分の強みを深く理解していて、自分の中に軸を持っています。それと同時に自分の弱みも理解しているが故に、お互いの個性を認め合うことができ、互いに尊敬できる関係を築くことができる。これがHSDの絆の強さの源だと思います。

2つ目は、圧倒的なチャレンジ精神の強さです。公演の質疑応答の際には毎回数えきれないほどの手が上がり、ディスカッションの場でも対話が途切れることはありません。また、毎回決まった人が発言するわけではなく文字通り全員がチャレンジ精神を持ってプログラムに望んでいました。HSDでは「目立つ」生徒はいません。言うなれば全員が「目立つ」生徒であり、恐れずに自分を表現していました。

 自分の個性を理解し、勇気を出してそれをさらけ出していく。そこから生まれる深い人間交流の中で新たな自分を発見できる。それがHSDプログラムです。

異文化交流や留学に興味がある人はもちろん、自分ってどういう人なんだろう?自分の個性って?と疑問に思っている高校生の方は、ぜひ1度自分を見つめ直して、応募してみることを強く勧めます。人生を変える夏がきっと、あなたを待っています!

【校外プログラム体験談「パイセンに聞いてみた!」をさらに読みたい方はこちら

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