【英語でビジネスプランを!】GTEイノベーションチャレンジ&未来2019について聞いてみた!

【英語でビジネスプランを!】GTEイノベーションチャレンジ&未来2019について聞いてみた!

今回は「GTEイノベーションチャレンジプログラム・サマーキャンプ&ビジネスプランコンテスト」、「未来 2019」に参加した4人の女子高生チーム Biz Girlsさんに書いて頂きました!


私達Biz Girlsの4人は2018年の夏に和歌山市で開催された一般社団法人カピオンエデュケーションズが主催する「GTEイノベーションチャレンジプログラム・サマーキャンプ&ビジネスプランコンテスト」(以下、GTEキャンプ)という英語でスタートアップを学ぶビジネスキャンプに参加しました。そこで、Can-C というバクテリアとほこりを可視化するスマホのアタッチメントのビジネスプランを作り、12 月にもビジネスプランコンテスト「未来 2019」(日本総合研究所主催)で発表しました。

英語でビジネスキャンプと聞くと尻込みしてしまうかもしれませんが、このキャンプで高校生のうちからビジネスを学ぶことの重要性に気付かされました。

GTEについて

GTEキャンプは、「英語でシリコンバレー流のビジネスに挑戦する」というキャンプで2016年から始まりました。第3回目である2018年は、プログラムが4泊5日開催され、アメリカ、イギリス、フランスなど国内外から25人の高校生が参加しました。

創立者である一般社団法人カピオンエデュケーションズの曽我弘さんは、シリコンバレーでウォルト・ディズニー社にも採用された Spruce Technologies, Inc.というDVD制作ソフトの会社を設立し、スティーブ・ジョブスと一対一で交渉して会社を売却するというご経験もお持ちの方です。

このキャンプの一コマでは、メインの講師の授業以外にも、曽我さんからスティーブ・ジョブスとの交渉の話などシリコンバレーでの起業経験についても聞かせてもらうことができました。


↑曽我さんに似た人形がGTEのマスコットキャラクター

GTEキャンプではシリコンバレーにあるSan Joseの名門私立高校、Harker高校のJuston先生から ビジネスの授業をアクティブラーニングを取り入れて楽しく実践的に学びます。

そして授業で学んだことをふまえ、4-5人のチームで議論しながら力を合わせてビジネスプランを作り、最終日にビジネスプランコンテストでプレゼン発表をします。

優勝したチームとジャストン・グラス賞を受賞した2チームは、同年12月に東京で開かれる、日本総合研究所が立ち上げたビジネスプランコンテスト「未来 2019」で発表する機会も与えられます。

選考の流れ

私は2018年の4月にGTEキャンプの募集を見つけて、「夏休みに何かに挑戦したい」という事が動機で応募しました。ビジネスの勉強をしたことはなかったし、ビジネスプランを作ったこともありませんでした。

4月7日 エッセイを書いて応募
4月9日 メールで返信があり、
4月15日 スカイプで面接があり参加が決定

と、本当にあっという間に参加が決まりました。素早い決断をするという姿勢がこの選考にも現れているのだと思います。
参加を希望している方は、早いもの順では決してありませんが、応募締め切りギリギリまで待たずに、自分たちも機敏に行動に移す方が良いかもしれません。

*申し込み期間はその年によって異なりますが、もう一人の創立者の能登さん曰く、GTE2020キャンプの募集は2019年12月からWEBで予告すると言っておられました。
詳細はこちら

起業力教室

事前にGTEキャンプの英語での授業に備えるため、東京でGTEの協賛企業の一つであるKPMG/あずさ監査法人によるGTEキャンプに参加しない人も参加可能な会計とファイナンス*のワークショップが日本語で開かれました会計とファイナンスについて学ぶのは初めてでしたが、スタッフの手厚いサポートと、分かりやすい資料や解説で、会計の基礎知識を身に着けることが出来ました。

2019年の起業力教室は170名もの高校生(中学生も含む)が参加する大規模なワークショップになっていました。チームで課題を決めて解決策を考えるワークショップや、財務諸表の基礎知識を、公認会計士30名を含む55名ものスタッフにサポートしてもらい学びました。

*ファイナンス:企業の資金調達のこと。

キャンプ


↑GTEが開催される和歌山の風景

GTEキャンプは
・Juston Glass先生のハイレベルな授業
・初めて顔を合わす者同士のチームでのビジネスプラン作成、発表
を朝から晩までみっちり取り組むというハードなスケジュールでした。しかし、ゲームを使って学ぶ楽しい授業や、メンバーの交流を深めたボーリング、共に乗り越えた仲間のおかげで楽しく充実した5日間になりました。

Juston先生の授業

Juston先生の授業は Harker高校の生徒が3年間かけて学ぶビジネスの授業を5日間に凝縮したものなので日本の一般的な高校で学ぶ勉強と同じようには比べられないです。アメリカのビジネススクールと同じ内容とレベルでJuston先生が指導してくれるのでハイレベルですが、ゲームを取り入れることで学びをより深いものにしてくれ、熱中することができました。

授業後のチームでの作業は各自がノートパソコンを持ち寄り作業を進めました。授業は進度が早いのでみんな追いつくのに必死でしたが、大学生や Juston先生の教え子であるHarker高校の卒業生もサポートしてくれたので助かりました。

チームビルディング

各地から集まった初対面の高校生がチームを作り、緊張をほぐすため体を使ったアイスブレイクを行いました。笑いを交えることで短時間でチームの結束を高めました。

アイデアチャレンジ

顧客とデザイナーという二つの立場に分かれ、それぞれの立場で「理想の旅客機はなにか?」というテーマでディスカッションをしました。発表し合った結果、デザイナーが作ったものと客の求めるものに相違点があり、客のニーズをきちんと調査しそれに合わせた商品を提供することと顧客の声を聞くことの重要性を学びました。

マーケティング

どのような顧客に対してどんな製品・サービスをどのように提供するかを、エナジードリンクのコマーシャル作りや、グーグルマップを使ったサービス製作を通して学びました。

ビジネス計画

市場での位置を示す2×2マトリックス法などを学び、空いている部屋を借りたい人と貸したい人とのマッチングサイトのAirbnbのビジネスモデルをリーンキャンバス(ビジネスモデルの設計書)に当てはめたり、アメリカの主要IT企業であるNetflixの強み、弱み、機会、脅威の4つを考える分析をしました。

ファイナンス

損益計算書や貸借対照表の見方など、財務諸表の基礎知識を学びました。

授業では、AirbnbやNetflix のような成功しているビジネスモデルを分析して学んだため理解しやすかったです。また様々な課題をチームで議論してアイデアを出し、どう解決するのかプレゼンをしたので、チームビルディングにも役立ちました。

また、限られた予算内で建材をオークションで競り落とし最も高いタワーを作るアクティビティも行い、ファイナンスの考え方をゲームで体験して学びました。

世界的IT企業の集まるアメリカのシリコンバレーの高校で教えられているビジネスの授業を日本に居ながらにして受けられるということは本当にすごいと思います。

ビジネスプラン作成、コンテスト

GTEキャンプでは授業で学んだ内容を実際にチームでビジネスプランを作成して実践します。
GTEとはGlobal Technology-based Entrepreneurの略で、国際的なテクノロジーを使った起業家という意味です。ビジネスプランには、GTEの頭文字にもとられているように、テクノロジーを使った商品を新しく開発したり、アプリを作成してサービスを提供することなどが求められます。

ブレインストーミング プロダクト決定

アイスブレイクでの様子をもとに、2日目の朝 Juston先生が25人の高校生をビジネスプランを立てていく4-5人のチームに分けました。チームビルディングで学んだのですが、目的を達せるためのチームづくりでは、老若男女問わずベストな人でチームを作るのが望ましいです。だから男女混合のチームが大半のところ、たまたまですがJuston先生が決めた私たちのグループは全員が日本の高校に通う女子4人のチームになりました。

まずアイデアを出すために、様々な方法でブレインストーミングをし、その日の夜12時までには製品の概要の説明書(エグゼクティブサマリー)を提出することが課題でした。早いチームは夜9時には仕上がっているところもあったようです。

私達のチームは商品を何にするかさえ決まっておらず、チームワークも危うい状態でしたが、スタッフの方々が夜遅くまで話し合いに付き合ってサポートしてくれました。

結局、深夜2時まで話し合っても商品が決まりませんでしたが、次の日の朝、議論した結果メンバーで再度出し合ったアイデアの中で、「バクテリアや埃を可視化するテクノロジー」を使った商品を作ることに決定しました。

私達の商品 “Can-C”


↑厚紙とマジックを使ってモデルも作ってみました。

ビジネスプランを立てるにあたり、バクテリアを可視化するテクノロジーについて調べ、実現性を確かめました。さらにリサーチと議論を重ねていき、

・発展途上国の病院が衛生的でない
・病院などを衛生的な環境保つための清掃には時間がかかる
・ほこりや細菌は目に見えない
・過度な抗菌クレンザーの使用は耐性菌を生み出す原因になる

という問題を絞り込み、それを解決する「バクテリアとほこりを可視化するスマートフォンのアタッチメント」に決まりました。

アイデアが固まってからは、一気にビジネスプランの概要を1枚にまとめたエグゼクティブサマリーを作成しました。

商品名は、見ることが出来る(Can see)ときれいにすることが出来る(Can Clean)をかけてCan-Cに決定しました。キャッチコピーを “Can See, Can Clean” にして、商品がイメージできるロゴマークも作りました。

プレゼンテーションの作成

エグゼクティブサマリーは審査員に提出するために書きましたが、審査員の前でプレゼンテーションを行うためのスライド、台本はチームで手分けして同時進行で作成しました。

観客の心に届くにはどのようなプレゼンにすれば良いか指導を受け、スライドはシンプルかつ統一感が出るような見せ方の工夫をしました。図や写真を用いて分かりやすくしたり、配色を工夫したりしました。画質の荒さが目立つと見栄えが悪いので、ロゴや画像の画質も手を抜かずにこだわりました。
↑スライドイメージ例

導入の問題提起の部分では動画を用いて深刻さを伝え、製品紹介ではモデル模型を製作してよりイメージしやすいようにました。

私達のチームは他のチームに比べてすぐに商品が決まらず、チームワークが危うかった時もありました。事業計画を作れないかもしれないと自信を失っていた時もありました。しかし、それを乗り越えた4人のチームワークは強固なものになっていました。

深夜にまで及んだパワーポイントの編集は一人だけではできない作業でした。英語が苦手な人には他のメンバーがサポートし、チーム4人が助け合って10枚程のスライドを完成させることができた時は本当に嬉しかったです。互いの強みで互いを補い合い、自分の得意な部分でチームをカバーするというチームビルディングを肌で感じた瞬間でした。

リハーサル

通し練習では、Juston先生やキャンプのスタッフから具体的なアドバイスをもらい、訂正を繰り返して改善を重ねました。
話す内容やパワーポイントのデザイン、全体の流れや模型の見せ方など、細かい部分まで分かりやすく伝えるための工夫をしました。

リハーサルでは Juston先生を前にしてプレゼン練習を行いました。
Juston先生は普段は優しくフレンドリーですが、ビジネスプランについては一切妥協を許さないため辛口なアドバイスをされますが、本番への意欲を高められました。

このプレゼン練習とスライドの訂正も深夜まで及びましたが、私たちの良いチームワークのおかげで大変な局面も乗り切ることができました。Juston先生に教えられているHarker高校の生徒たちはこのようなプレゼン指導を毎日のように受けていると聞いて、日本の高校生にもこのようなスキルが高まる機会がもっと増えて欲しいと思いました。

最終日のビジネスプランコンテスト

キャンプの最終日にはビジネスプランを発表するコンテストが開催されました。キャンプ開催地とは違うところにあるコンテスト会場に着いてから最終調整をして、発表本番を迎えました。

実際のプレゼンは練習の時のように原稿を見ることはできない上、大勢の人たちの前で発表をするので大変緊張しました。今まで頑張って作り上げた自分たちのアイデアを発表する大切な機会なので、チームで団結し力を出し切って発表しました。

全6チームのビジネスプランは、

・アレルギー対応のレストラン紹介アプリサービス
・ハイキングガイド紹介のアプリサービス
・自家用車での荷物運搬のアプリサービス
・服のおすすめマッチングアプリサービス
・スポーツ用品レンタルサービス
そして私達の商品、Can-Cでした。

全てのプレゼンが終わってからは結果発表と授賞式がありました。私達のチームはJuston Glass賞に選ばれました。

私達のチームはビジネスプランを作るのに時間がかかり苦労しました。しかし、それは私達全員が真剣に良いビジネスプランを作りたいと思っていたからです。私達の商品 “Can-C”はすべての意見を大切に議論をした結果生まれました。
コンテストで評価してもらえたことで、Biz Birlsのチームメンバーで最後まで諦めずに頑張ってきて本当に良かったと思いました。

未来2019


私達のチームはJuston Glass賞を受賞したので、
・本格的なプレゼン発表の場に高校生の段階から登壇し経験する
・ネットワーキングを行い、将来に役立つ幅広い人脈を築く
という目的で、同年12月に東京で開かれたスタートアップ支援アクセラレータープログラムのビジネスプランコンテスト「未来 2019」に登壇することが出来ました。
「未来 2019」の詳細はこちら

発表する内容はGTEでのものと変わりないですが、未来2019というより大きな舞台に向けて、GTEキャンプで仕上げたプレゼンのクオリティーを上げるための準備に取り掛かりました。

今回は夏休み中ではなくて、学校があったので実際に集まる事は難しかったため、スタッフにサポートしてもらいながらグループチャットでやり取りを行い、原稿をGoogleドキュメントで共有して作業を進めました。

そして発表当日の午前中に久しぶりに顔を合わせ、夏のプレゼンでの反省を踏まえて練習をし、最終打ち合わせを行いました。

プレゼンが終わった後には、私達のビジネスプランに興味を持った審査員たちが質問してくれました。
また、私達のビジネスプランと同じようなコンセプトの商品を実際に作っている会社の方から声をかけて頂き、詳しくお話を伺うことが出来ました。
このことは実際の社会でも通用するようなビジネスプランが、自分たちにも作れるという自信を与えてくれました。

GTEキャンプでの経験が夏のキャンプだけで終わらずに、12月に「未来2019」という大きな舞台でプレゼンをする機会があったことで、引き続きビジネスの勉強をしようという気持ちになりました。また、久しぶりに再会したチームメンバーとの絆を強めてくれました。

まとめ

GTEキャンプでは

・シリコンバレーで実際にたくさんの会社を設立されたスタートアップの実際の経験談から教わる。
・シリコンバレーの高校のビジネス/スタートアップの先生Juston先生の授業を受ける。
・国内外のから来た高校生がチームを組んで短期間にビジネスプランを作る。

という実践的なビジネスの勉強をすることができます。さらに、

・KPMG/あずさ監査法人でプロの公認会計士から会計とファイナンスの授業を受ける。
・スタートアップが実際に資金調達をするビジネスコンテスト「未来」に登壇する。

という実際のビジネスの現場で活躍している方々が先生となって直接教えてくださり、ビジネスの現場を経験することもできるのです。

GTEキャンプでは海外や日本各地から来た初めて顔を合わす学生同士がチームを組んでビジネスプランを短時間で立てます。私達のチームはビジネスプランの話し合いに時間がかかり苦労しましたが、それを乗り越えることでチームワークが生まれビジネスの可能性が高いプレゼンテーションを作り上げることができました。

国内で開かれたキャンプですが、参加者のバックグラウンドが多様(インターナショナルスクールの生徒や海外の高校に通う生徒、SCHやSGHの学校の生徒や国際バカロレアの学校の生徒や日本の受験スタイルの進学校の生徒たち)で、他の参加者から受けた刺激が非常に強かったです。学ぶことに意欲的な同世代の参加者と寝食を共にし、何かを作り上げていく事は貴重な経験でした。

GTEのキャンプは夏休みの一週間弱という短期間でしたが、内容が濃厚で学びが多く、その後の行動のモチベーションにもつながりました。みなさんも興味があったらぜひ応募してみてください。GTEイノベーションチャレンジに挑戦して良かったです。

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